コンフィグレーションガイド Vol.1
本装置のVLANインタフェースのMACアドレスは,デフォルトではすべてのVLANで装置MACアドレスを使用します。通常,LANスイッチはVLANごとにMACアドレス学習を行うため,異なるVLANで同じMACアドレスを使用できます。しかし,VLANごとではなく装置単位に一つのMACアドレステーブルを管理するLANスイッチを同じネットワーク上で使用している場合,異なるVLANで同じMACアドレスを使用するとMACアドレス学習が安定しなくなる場合があります。そのような場合にVLANインタフェースのMACアドレスをVLANごとに変更することによってネットワークを安定させることができます。
- [設定のポイント]
- VLANをレイヤ3インタフェースとして使用する場合,VLANインタフェースのMACアドレスを変更できます。MACアドレスはvlan-mac-prefixコマンドおよびvlan-macコマンドで設定します。
- VLANごとのMACアドレスは,vlan-mac-prefixコマンドで上位34bitまでのプレフィックスを指定し,かつVLANごとにvlan-macコマンドで,VLANごとのMACアドレスを使用することを設定します。MACアドレスは下位12bitにVLAN IDを使用します。
- [コマンドによる設定]
- (config)# vlan-mac-prefix 0012.e200.0000 ffff.ffff.c000
VLANごとMACアドレスに使用するプレフィックス(上位34bit)を指定します。マスクは34bitで指定する場合ffff.ffff.c000になります。
- (config)# vlan 10
VLAN 10のVLANコンフィグレーションモードに移行します。
- (config-vlan)# vlan-mac
VLAN 10でVLANごとMACアドレスを使用することを設定します。MACアドレスは下位12bitにVLAN IDを使用し,この場合VLAN 10のMACアドレスは0012.e200.000aになります。
MACアドレスの値は運用コマンドshow vlanで確認できます。
- [注意事項]
- VLANごとMACアドレスの設定で,VLANインタフェースのMACアドレスが変更になります。これによって,隣接するレイヤ3装置(ルータ,レイヤ3スイッチ,端末など)がARPやNDPで学習したMACアドレスと本装置のVLANインタフェースのMACアドレスが不一致となり,一時的に通信できなくなる場合があります。本機能の設定はVLANインタフェースの運用開始前に設定するか,または通信の影響が少ないときに行うことをお勧めします。
- なお,VLANごとMACアドレスの設定は,該当するVLANインタフェースにIPアドレスが設定されているときだけ有効です。
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