運用コマンドレファレンス Vol.2

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clear ipv6 bgp【OS-L3SA】

BGP4+セッションを切断します。また,BGP4+の学習経路数制限機能によって切断しているBGP4+セッションを再接続します。

BGP4+経路の再学習および再広告をします。また,新しいBGP4+フィルタ情報を使用して受信経路と送信経路のフィルタリングをします。

BGP4+プロトコルに関する情報のクリアをします。

[入力形式]

clear ipv6 bgp [vrf {<vrf id> | all}] 
                    { * | <Peer Group> | <Peer Address> | <Host name> }
clear ipv6 bgp [vrf {<vrf id> | all}] * {in | out | both}
clear ipv6 bgp [{<Peer Address> | <Host name>}] dampening 
                    [<Prefix>[/<Prefixlen>] [longer-prefixes]]
clear ipv6 bgp [{<Peer Address> | <Host name>}] flap-statistics 
                    [<Prefix>[/<Prefixlen>] [longer-prefixes]]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

vrf {<vrf id> | all}
VRFのBGP4+のセッションを切断し,BGP4+情報をクリアします。<vrf id>指定時は指定VRFのBGP4+だけを,all指定時はグローバルネットワークを含む全VRFのBGP4+を対象とします。<vrf id>の指定値の範囲は,コンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDとなります。

本パラメータ省略時の動作
グローバルネットワークのBGP4+セッションを切断し,BGP4+情報をクリアします。

{ * | <Peer Group> | <Peer Address> | <Host name> }
BGP4+セッションを一時的に切断します。なお,切断したBGP4+セッションは自動的に再接続します。
また,BGP4+の学習経路数制限機能により切断されているBGP4+セッションを再接続します。

*
すべてのピアが対象となります。

<Peer Group>
ピアグループ名称を指定します。
入力可能な文字は,31文字以内の名前です。詳細については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

<Peer Address>
ピアのIPv6アドレス,またはインタフェース名称付きIPv6アドレス(リンクローカルアドレスだけ)を指定してください。

<Host name>
ホスト名称を指定してください。
ただし,vrf {<vrf id> | all}指定時は,本パラメータは指定できません。

* {in | out | both}
すべてのピアに対してBGP4+経路を再学習するか,再広告するかを指定します

in
新しい学習フィルタを使用して学習経路をフィルタリングします。また,以下の状態時を満たしている場合はRoute Refresh機能を使用して,指定ピアに対して経路の再配信要求をします。
  • コンフィグレーションコマンドのneighbor soft-reconfigurationが未設定
  • Route Refresh機能が成立

out
  • 新しい広告フィルタを使用し,BGP4+経路を再広告します。
  • コンフィグレーションコマンドneighbor remove-private-asの設定を運用に反映します。

both
inとoutの両方を実行します。

dampening
統計情報を含めルート・フラップ情報をクリアします。なお,本パラメータ実行時,経路の抑止(suppress)状態も強制的にクリアします。

flap-statistics
ルート・フラップ統計情報(フラップ回数,フラップ開始時刻)をクリアします。

{<Peer Address>|<Host name>}
本パラメータを指定した場合,指定ピアからの経路情報に対するルート・フラップ情報だけをクリアします。

<Peer Address>
ピアのIPアドレスを指定します。

<Host name>
ホスト名称を指定します。

本パラメータ省略時の動作
すべてのピアからの経路情報に対するルート・フラップ情報をクリアします。

<Prefix>[/<Prefixlen>] [longer-prefixes]
<Prefix>[/<Prefixlen>]で宛先ネットワークを指定すれば,クリアする経路情報をフィルタリングできます。<Prefix>はコロン記法で,<Prefixlen>は0〜128の範囲で指定してください。

longer-prefixes
指定宛先ネットワークに包括される経路情報が対象となります。その際,<Prefix>[/<Prefixlen>]指定にプレフィックス長の指定がない場合,<Prefix>までをフィルタリングアドレスとして使用します。
(例)3ffe:811::と入力した場合は,3ffe:811::/32の経路情報を表示します。
本パラメータ省略時の動作
  指定宛先ネットワークと一致する経路情報だけが対象となります。その際,<Prefix>[/<Prefixlen>]指定にプレフィックス長の指定がない場合,指定した<Prefix>に最長一致(longest-match)する経路情報が対象となります。

[スタック構成時の運用]

[実行例]

図13-97 すべてのセッションの切断

>clear ipv6 bgp *
>

図13-98 すべてのピアへの再広告

>clear ipv6 bgp * out
>

図13-99 すべてのピアからの再学習

>clear ipv6 bgp * in
>

図13-100 フラップ情報のクリア

>clear ipv6 bgp dampening
>

図13-101 フラップ統計情報のクリア

>clear ipv6 bgp flap-statistics
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

[応答メッセージ]

表13-59 clear ipv6 bgpコマンド応答メッセージ一覧

項番 メッセージ 内容
1 BGP4+ not active in vrf <vrf id> 指定VRFではBGP4+が動作していません。
<vrf id>:指定VRF ID
2 BGP4+ not active. BGP4+が動作していません。
3 BGP4+ peer is not established(<Peer>) 当該ピアは確立していないためクリアできませんでした。
<Peer>:当該ピアアドレス
4 can't clear BGP4+ session BGP4+セッションをクリアできませんでした。
5 can't refresh BGP4+ route BGP4+経路の再広告または再学習に失敗しました。
ピアの状態,またはピアの能力広告結果を確認してください。
6 connection failed to rtm ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。
7 illegal parameter 指定ホスト名が不正です。
8 illegal parameter or cannot specify hostname with VRF 指定アドレス文字列が不正です。またはVRFと同時にはホスト名称を指定できません。
9 IP routing is not configured. ルーティングプロトコルが設定されていません。
コンフィグレーションを確認してください。
10 linklocal address is not cleared リンクローカルアドレスはクリアできません。
11 No response from rtm. ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。
12 no route <Prefix> 指定経路は存在しません。
<Prefix>:指定ネットワーク
13 no such peer 指定ピアは存在しません。
14 no such peers 指定ASにピアが存在しません。
15 no such peers in vrf <vrf id> 指定VRFではピアが存在しません。
<vrf id>:指定VRF ID
16 no such VRF <vrf id> 指定VRFが存在しません。
<vrf id>:指定VRF ID
17 program error occurred: <Error Message> プログラムエラーが発生しました。コマンドを再実行してください。
<Error Message>:エラー部位
18 unspecified peer address or parameter ピアアドレス,またはパラメータが指定されていません。

[注意事項]

なし

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