運用コマンドレファレンス Vol.1
ftpなどでダウンロードした新しいソフトウェアを,フラッシュ上に反映しソフトウェアをアップデートします。
[入力形式]
ppupdate [switch <switch no.>] [test] [no-display] [-f] [no-reload] <file-name>
[入力モード]
装置管理者モード
[パラメータ]
- switch <switch no.>
- 指定したスイッチ番号のメンバスイッチに対してコマンドを実行します。
- 本パラメータは,スタック構成時のマスタスイッチで指定できます。指定できる値の範囲は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。
- 本パラメータ省略時の動作
- 自装置に対してコマンドを実行します。
- test
- 実行時と同じチェックをしますが,実際にソフトウェアのアップデートは実行しません。
- no-display
- 実行時のメッセージを表示しません。
- -f
- 実行時の確認応答をしないで強制的に処理します。
- 本パラメータ省略時の動作
- 確認メッセージを出力します。
- no-reload
- アップデート後,自動的に再起動しません。次回の再起動時に新規ソフトウェアで起動します。
- <file-name>
- アップデートファイルの名称を指定します。
[スタック構成時の運用]
マスタスイッチからスタックを構成しているメンバスイッチのスイッチ番号を指定してコマンドを実行できます。
なお,remote commandコマンドも使用できます。
remote command <switch no.> ppupdate [test] [no-display] [-f] [no-reload] <file-name>
[実行例]
現在のソフトウェアバージョンと新規ソフトウェアのバージョンを列挙し,確認メッセージを表示します。
# ppupdate k.img Software update start Broadcast Message from operator@ (??) at 15:32 UTC... *********************************************** ** UPDATE IS STARTED. ** *********************************************** Current version is 11.5 New version is 11.6 Automatic reboot process will be run after installation process. Do you wish to continue? (y/n) y ここで"y"を入力するとアップデートを開始し,完了後自動的に再起動します。 ここで"n"を入力するとアップデートを行わず,コマンドプロンプトに戻ります。
[表示説明]
なし
[通信への影響]
testパラメータまたはno-reloadパラメータを指定しない場合,アップデート後自動的に装置が再起動します。このとき,通信が一時的に中断します。
[応答メッセージ]
表15-1 ppupdateコマンドの応答メッセージ一覧
メッセージ 内容 another user is executing now. ほかのユーザがrestoreコマンドまたはppupdateコマンドを実行中のため,本コマンドを実行できません。 Can't execute for accounts mismatch. バックアップスイッチのアカウントが不一致のため,本コマンドを実行できません。アカウントを操作するコマンド(adduser,rmuser,password,clear password)を実行して,アカウントを同期してください。 Can't execute. コマンドを実行できません。再実行してください。 Can't open <file-name>. 指定されたファイルをオープンできませんでした。正しいファイル名を指定してください。 extract failed. アップデートに失敗しました。再実行してください。 Invalid file <file-name>. 指定されたファイルの内容が正しくありません。正しいファイルを指定してください。 No such Switch <switch no.>. 指定されたスイッチ番号が存在しません。指定パラメータを確認して再実行してください。
また,メンバスイッチの追加直後などは,コマンドを実行できないことがあります。その場合は,再実行してください。
<switch no.>:スイッチ番号OS Type mismatch.
Can not apply this package.指定されたファイルは,ほかの装置用のため適用できません。 OS version mismatch.
Can not apply this package.指定されたファイルは,本装置には適用できません。 Switch <switch no.> was deleted from stack. メンバスイッチはスタック構成から削除されました。
<switch no.>:スイッチ番号
[注意事項]
- アップデート時に更新前のコンフィグレーションは引き継がれます。ただし,引き継がれたコンフィグレーションに,アップデート後のソフトウェアバージョンで未サポートのコンフィグレーションが存在する場合,未サポートのコンフィグレーションコマンドは引き継がれません。その際,スタートアップコンフィグレーションとランニングコンフィグレーションが不一致になるので,新たに保存操作を実行するまでの間は,未保存状態であることを意味するプロンプト表示になります。また,引き継がれなかった未サポートのコンフィグレーションコマンドは運用ログに出力されます。詳細は,「メッセージ・ログレファレンス 2.1 コンフィグレーション」を参照してください。
- コンフィグレーションの設定量が多い状態でアップデートすると,新バージョンへのコンフィグレーション引き継ぎのため,装置起動時に時間が掛かる場合があります。
- ソフトウェアイメージをk.imgという名称で書き込んだMCが搭載されている状態で装置を再起動させた場合,MCから起動します。MCから装置を起動した場合,アカウント,コンフィグレーションは工場出荷時の初期状態となり,設定しても保存できません。通常運用時は,MCから起動しないでください。
- 本コマンド実行中は,装置スリープ機能が抑止されます。本コマンド実行中にスケジュール実行時間帯になった場合は,本コマンドが終了したあとでスリープ状態に遷移します。
- ほかのユーザがppupdateコマンドまたはrestoreコマンドを実行中は,本コマンドを実行できません。実行すると「another user is executing now.」のメッセージを表示して異常終了します。この場合,時間をおいて再実行してください。それでも異常終了する場合は,“rm /tmp/ppupdate.exec”を実行してファイルを削除したあと,本コマンドを再実行してください。
- スタック構成時は,メンバスイッチごとにアップデートしてください。
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