コンフィグレーションガイド Vol.2
フロー検出で検出したフレームのフレーム長(MACアドレスからFCSまで)を基に帯域を監視する機能です。指定した監視帯域内として中継するフレームを「遵守フレーム」,監視帯域以上としてペナルティを科すフレームを「違反フレーム」と呼びます。
フロー検出で検出したフレームが監視帯域を遵守しているかまたは違反しているかの判定には,水の入った穴の開いたバケツをモデルとする,Leaky Bucketアルゴリズムを用いています。
Leaky Bucketアルゴリズムのモデルを次の図に示します。
図3-4 Leaky Bucketアルゴリズムのモデル
バケツからは監視帯域分の水が流れ,フレーム受信時にはMACアドレスからFCSまでのサイズの水が注ぎ込まれます。水が注ぎ込まれる際にバケツがあふれていなければ,遵守フレームとして中継されます(上図の左側の例)。水が注ぎ込まれる際にバケツがあふれている場合は,フロー検出で検出したフレームを違反フレームとしてペナルティを科します(上図の右側の例)。水が一時的に大量に注ぎこまれたときに許容できる量,すなわちバケツの深さがバーストサイズに対応します。
バーストサイズのデフォルトは装置モデルによって異なります。より帯域の揺らぎが大きいトラフィックの遵守パケットを中継する際には,バッファサイズを大きく設定し使用してください。
本機能は,最低帯域監視と最大帯域制御から成り,最低帯域監視と最大帯域制御で使用できるペナルティの種類を次の表に示します。
表3-11 最低帯域監視と最大帯域制御で使用できるペナルティの種類
違反フレームに対するペナルティ 帯域監視種別 最低帯域監視 最大帯域制御 廃棄 − ○ キューイング優先度変更 ○ − DSCP書き換え ○ − (凡例)○:使用可能なペナルティ −:使用不可能なペナルティ
次のフレームについては,DSCP書き換えのペナルティが動作しません。
- MTUを超えるIPv4,IPv6パケット
- TTLが1のフレーム
- ホップリミットが1のフレーム
- IPオプション付きのフレーム
- IPv6拡張ヘッダ付きのフレーム
- 宛先不明のIPv4,IPv6パケット
●スタック構成時の帯域監視
スタック構成時は,帯域監視のサポート状況がインタフェース種別によって異なります。インタフェース種別と帯域監視の対応を次の表に示します。
表3-12 インタフェース種別と帯域監視の対応
インタフェース種別 帯域監視 イーサネットインタフェース ○ 一つのメンバスイッチ内のVLANインタフェース ○ 異なるメンバスイッチにわたったVLANインタフェース − (凡例)○:サポート −:未サポート
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