運用コマンドレファレンス Vol.2


clear ip bgp【OS-L3A】

BGP4セッションを切断します。また,BGP4の学習経路数制限機能によって切断しているBGP4セッションを再接続します。

BGP4経路の再学習および再広告をします。また,新しいBGP4フィルタ情報を使用して受信経路と送信経路のフィルタリングをします。

BGP4プロトコルに関する情報のクリアをします。

[入力形式]

clear ip bgp { * | <Peer Group> | <Peer Address> | <Host name> }
clear ip bgp * {in | out | both}
clear ip bgp [{<Peer Address> | <Host name>}] 
                   dampening [<Address> [longer-prefixes]] 
clear ip bgp [{<Peer Address> | <Host name>}] 
                   flap-statistics [<Address> [longer-prefixes]]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

{* | <Peer Group> | <Peer Address> | <Host name>}

BGP4セッションを一時的に切断します。なお,切断したBGP4セッションは自動的に再接続します。

また,BGP4の学習経路数制限機能により切断されているBGP4セッションを再接続します。

*

すべてのピアが対象となります。

<Peer Group>

ピアグループ名称を指定します。

入力可能な文字は,31文字以内の名前です。詳細については,「パラメータに指定できる値」を参照してください。

<Peer Address>

ピアのIPアドレスをIPv4アドレスで指定してください。

<Host name>

ホスト名称を指定してください。

* {in | out | both}

すべてのピアに対してBGP4経路を再学習するか,再広告するかを指定します。

in

新しい学習フィルタを使用して学習経路をフィルタリングします。

また,以下の状態を満たしている場合はRoute Refresh機能を使用して,指定ピアに対して経路の再配信要求をします。

  • コンフィグレーションコマンドneighbor soft-reconfigurationが未設定

  • Route Refresh機能が成立

out
  • 新しい広告フィルタを使用しBGP4経路を再広告します。

  • コンフィグレーションコマンドneighbor remove-private-asの設定を運用に反映します。

both

inとoutの両方を実行します。

dampening

統計情報を含め,ルート・フラップ情報をクリアします。なお,本パラメータ実行時,経路の抑止(suppress)状態も強制的にクリアします。

flap-statistics

ルート・フラップ統計情報(フラップ回数,フラップ開始時刻)をクリアします。

{<Peer Address>|<Host name>}

指定ピアからの経路情報に対するルート・フラップ情報だけをクリアします。

<Peer Address>

ピアのIPアドレスを指定します。IPv4アドレスで指定してください。

<Host name>

ホスト名称を指定します。

本パラメータ省略時の動作

すべてのピアからの経路情報に対するルート・フラップ情報をクリアします。

<Address> [longer-prefixes]

本パラメータで宛先ネットワークを指定すれば,クリアする経路情報をフィルタリングできます。

<Address>

以下のどれかの形式で指定できます。

  • <IP Address>

  • <IP Address> <Mask>

  • <IP Address>/<Masklen>

<IP Address>には宛先アドレスを,<Mask>,<Masklen>にはネットワークマスクを指定します。<IP Address>,<Mask>はIPv4アドレスで,<Masklen>は0〜32の範囲で指定してください。

longer-prefixes

指定宛先ネットワークに包括される経路情報が対象となります。その際,<Address>指定にネットワークマスクの指定がない場合,<IP Address>のナチュラルマスクをフィルタリング用のネットワークマスクとして使用します。

本パラメータ省略時の動作

  指定宛先ネットワークと一致する経路情報だけが対象となります。その際,<Address>指定にネットワークマスクの指定がない場合,指定した<IP Address>に最長一致(longest-match)する経路情報が対象となります。

[実行例]

図6‒77 すべてのピアのセッションの切断
>clear ip bgp *
>
図6‒78 すべてのピアへの再広告
>clear ip bgp * out
>
図6‒79 フラップ情報のクリア
>clear ip bgp dampening
>
図6‒80 フラップ統計情報のクリア
>clear ip bgp flap-statistics
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

[応答メッセージ]

表6‒59 clear ip bgpコマンド応答メッセージ一覧

項番

メッセージ

内容

1

BGP not active.

BGP4が動作していません。

2

BGP peer is not established(<Peer>)

当該ピアは確立していないためクリアできませんでした。

<Peer>:当該ピアアドレス

3

can't clear BGP session

BGP4セッションをクリアできませんでした。

4

can't clear dampened routes.

dampening routeのsuppress状態をクリアできませんでした。

5

can't clear flap-statistics

BGPのフラップ統計情報をクリアできませんでした。

6

can't refresh BGP route

BGP4経路の再広告または再学習に失敗しました。

ピアの状態,またはピアの能力広告結果を確認してください。

7

connection failed to rtm

ユニキャストルーティングプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

8

illegal address

指定アドレス文字列が不正です。

9

IP routing is not configured.

ルーティングプロトコルが設定されていません。

コンフィグレーションを確認してください。

10

No response from rtm.

ユニキャストルーティングプログラムからの応答がありません。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart unicastコマンドでユニキャストルーティングプログラムを再起動してください。

11

no route <IP Address>

指定経路は存在しません。

<IP Address>:指定ネットワークアドレス

12

no such peer

指定ピアは存在しません。

13

no such peers

指定ASにピアが存在しません。

14

program error occurred: <Error Message>

プログラムエラーが発生しました。

コマンドを再実行してください。

<Error Message>:エラー部位

15

unspecified peer address or parameter

ピアアドレス,またはパラメータが指定されていません。

[注意事項]

なし