運用コマンドレファレンス Vol.1


swap vrrp(IPv4)

自装置が切り戻し抑止状態で状態遷移を行うコマンドです。

自装置がマスタであればバックアップに遷移します。

自装置がバックアップであればマスタに遷移します。

[入力形式]

swap vrrp [-f] interface vlan <vlan id> [vrid <vrid>]

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

-f

確認メッセージなしでコマンドを実行します。

本パラメータ省略時の動作

確認メッセージを出力します。

interface vlan <vlan id>

仮想ルータを設定しているインタフェースを指定します。

<vlan id>にはコンフィグレーションコマンドinterface vlanで設定したVLAN IDを指定します。

vrid <vrid>

仮想ルータIDを指定します。

本パラメータ省略時の動作

指定したインタフェースに設定されているそれぞれの仮想ルータに対する実行確認メッセージが表示されます。

[実行例]

現在マスタとして稼働しているVLAN"10"に設定されたVRID"1"とVRID"20"の仮想ルータをバックアップへ遷移させます。

図31‒5 仮想ルータの切り戻し実行
> swap vrrp interface vlan 10
Exchange VRRP 1 OK? (y/n): y
Exchange VRRP 20 OK? (y/n): y
>

[表示説明]

なし

[通信への影響]

VRRPの状態遷移によって,一時的に通信が中断することがあります。

[応答メッセージ]

表31‒6 swap vrrp(IPv4)コマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

Can't execute.

コマンドを実行できません。再実行してください。

Command execution cannot be performed to owner's virtual router of an initial state.

初期状態の仮想ルータに対してコマンドは実行できません。

Command execution cannot be performed to owner's virtual router.

アドレス所有者の仮想ルータに対してコマンドは実行できません。

no entries.

該当する仮想ルータがありません。

[注意事項]

次の表にコマンド実行結果の一覧を示します。「状態変化しない」が切り戻しが発生していないように見える個所です。

表31‒7 swap vrrp(IPv4)コマンドの実行結果一覧

自装置抑止中

自装置抑止なし

他装置抑止中

他装置抑止なし

他装置抑止中

他装置抑止なし

自装置

マスタ

自装置と他装置の優先度比較

切り替え

切り替え

状態変化しない

状態変化しない

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

切り戻し

切り戻し

切り戻し

切り戻し

自装置バックアップ

切り戻し

切り戻し

切り戻し

切り戻し

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

IPアドレスの大きい装置がマスタに遷移

状態変化しない

状態変化しない

状態変化しない

状態変化しない

上記の表で使用している用語

  • 自装置:swap vrrpコマンドを実行する装置。

  • 他装置:自装置以外の装置。

  • 切り替え:マスタが最も優先度が高いものから,低いものへ変わる。