29.4.3 近隣検出
IPv6 PIMルータはIPv6 PIMを有効にしたすべてのインタフェースに定期的にIPv6 PIM-Helloメッセージを送信します。PIM-Helloメッセージの送信先は全PIMルータリンクローカル・マルチキャストアドレス宛て(ff02::d)です。このメッセージを受信することによって近隣のIPv6 PIMルータを動的に検出します。本装置はPIM-HelloメッセージのGeneration IDオプションをサポートしています(RFC4601およびdraft-ietf-pim-sm-bsr-07に準拠)。
Generation IDはマルチキャストインタフェースごとに持つ32ビットの乱数で,PIM-Helloメッセージ送信時にGeneration IDを付加して送信します。Generation IDはマルチキャストインタフェースがUp状態になるたびに再生成します。受信したPIM-HelloメッセージにGeneration IDオプションが付加されていればGeneration IDを記憶し,Generation IDの変化によって近隣装置のインタフェース障害を検出します。Generation IDの変化を検出すると,近隣装置情報の更新とPIM-Helloメッセージ,PIM Bootstrapメッセージ,およびPIM Join/Pruneメッセージを定期広告のタイミングを待たずに送信します。これによって,マルチキャスト経路情報を速やかに再学習できます。
本装置から送信されるPIM-Helloメッセージには,送信元インタフェースに設定されているリンクローカルアドレス以外のアドレスリストがPIM-Helloメッセージのオプションデータ(タイプ24およびタイプ65001)として含まれています。このオプションデータを受信することによって,本装置は隣接するIPv6 PIMルータのリンクローカルアドレス以外のアドレスを認識できます。
本装置からIPv6マルチキャスト送信者へ到達するためのネクストホップがリンクローカルアドレス以外の場合にも,このアドレスリストを参照することによって本装置は送信者へ到達するためのIPv6 PIMルータを検出できます。
隣接PIMルータのアドレス受信例を次の図に示します。