コンフィグレーションガイド Vol.3


29.2.1 MLDの概要

MLDはルータ−ホスト間で使用されるIPv6マルチキャストグループ管理プロトコルで,IPv4マルチキャストのIGMPと同様の機能を持っています。

MLDを使用すると,ルータからのIPv6マルチキャストグループの参加問い合わせとホストからのIPv6マルチキャストグループへの参加・離脱報告によって,ルータはホストのIPv6マルチキャストグループへの参加・離脱を認識してIPv6マルチキャストパケットを中継・遮断します。通信に使用するアドレスにIPv6アドレスを使用する点以外は,IGMPとまったく同じです。

MLDはバージョン1とバージョン2がRFCで規定されています。

MLDv2はIPv6マルチキャストグループマネージメント機能を実現するMLDv1を拡張したプロトコルで,指定した送信元からのマルチキャストパケットだけを受信する送信元フィルタリング機能が導入されています。IPv6マルチキャストグループへの参加・離脱報告時に送信元指定が可能であるため,MLDv2とPIM-SSMを組み合わせて使用することで,効率のよいIPv6マルチキャスト中継が実現できます。

本装置が送信するMLDv1メッセージのフォーマットおよび設定値はRFC2710に従います。また,MLDv2メッセージのフォーマットおよび設定値はRFC3810に従います。