7.4.3 ロードバランス使用時の注意事項
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Hash値によって,一意に16パスの内1パスを選択するため,宛先ネットワークに対するそれぞれのパスのパケット分配比率は必ずしも均等になりません。
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各パスに対して重み付けをしないため,回線速度が異なる場合は速度に比例して分配しません。ただし,回線速度の速い回線に重み付けをするには,マルチホーム接続によってできますが,障害の発生などを考慮し,冗長構成とする必要があります。
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Hash値によって選択した該当パスの出力帯域を超えて継続的にパケットを送出しようとした場合,パケット廃棄が発生します。別のパスには振り分けません。
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tracerouteコマンドによって,ロードバランスで使用する選択パスを確認する場合は次の注意が必要です。
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tracerouteコマンドを受信したインタフェースのIPアドレスを送信元IPアドレスとして応答を返しますが,そのインタフェースを使用して応答を返すとは限りません。
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tracerouteコマンドを受信したインタフェースがマルチホームの場合,隣接装置がどのサブネットで送信したのか判断できないので,マルチホーム内の1アドレスを送信元IPアドレスとして応答します。
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ロードバランス使用時に,特定の中継経路(ゲートウェイ)だけに通信が集中する場合,中継性能が極端に低下することがあります。そのような場合,すべての中継経路(ゲートウェイ)に対してスタティックARPを設定してください。
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BGP4経路が,Nullインタフェースを指定したIGP経路でネクストホップ解決されることによってBGP4経路のマルチパスにNullインタフェースを含む場合,該当経路を使用して中継されません。そのような場合,BGPコンフィグレーションコマンドbgp nexthopで,Nullインタフェースを指定したIGP経路をBGP4経路のネクストホップ解決に使用しないように設定してください。
また,マルチパスのスタティック経路に直接接続していないネクストホップが含まれており,そのネクストホップがNullインタフェースをネクストホップとする経路で解決されている場合も,該当経路を使用して中継されません。
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各ユニキャストルーティングプロトコルで,最大マルチパス数を指定しないでプロトコル情報を設定した場合,各プロトコルの最大マルチパス数は次のようになります。
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スタティック(IPv4):6
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OSPF:4
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BGP4:1(マルチパスを生成しません)
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本装置で収容できるマルチパス経路の最大数は,装置起動後に変更できません。変更する場合は,各ユニキャストルーティングプロトコル(スタティックルーティング,OSPF,BGP4)のコンフィグレーションで最大マルチパス数を変更したあとに,装置を再起動してください。
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同一マルチパス経路は,経路変更時に複数のマルチパス経路になることがあります。また,障害などでマルチパス経路が切り替わった場合,新しく登録されるマルチパス経路は,変更前のマルチパス経路を残したまま,経路登録をします。そのため,一時的に新旧合計したマルチパス経路数のリソースを消費します。
経路変更発生時に収容条件を超えないように,余裕を持ったマルチパス経路数で運用してください。