コンフィグレーションガイド Vol.2
ポート帯域制御は,スケジューリングを実施した後に,該当するポートに指定した送信帯域にシェーピングする機能です。この制御を使用して,広域イーサネットサービスへ接続できます。
例えば,回線帯域が1Gbit/sでISPとの契約帯域が400Mbit/sの場合,ポート帯域制御機能を使用してあらかじめ帯域を400Mbit/s以下に抑えてフレームを送信することができます。
ポート帯域制御は穴の開いたバケツをモデルとする,Leaky Bucketアルゴリズムを用いています。Leaky Bucketアルゴリズムのモデルを次の図に示します。
図4-3 Leaky Bucketアルゴリズムのモデル
バケツには受信したフレームサイズ分の水が注ぎ込まれ,ポート帯域制御の送信帯域分の水が送信フレームとして流れます。水が一時的に大量に注ぎこまれたときに許容できる量,すなわちバケツの深さがバーストサイズに対応します。バケツが空の状態でトラフィックを送信した際,送信帯域の揺らぎはバーストサイズに比例します。バーストサイズまで水が溜まった場合,フレームは送信キューに溜まります。
ポート帯域制御の設定範囲を次に示します。設定帯域は回線速度以下になるように設定してください。回線状態が半二重モードの場合は設定できません。設定できない場合,運用ログが表示されポート帯域制御の設定は無効となります。
表4-6 ポート帯域制御の設定範囲(10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,100BASE-FX,1000BASE-X)
設定単位※1 設定範囲 刻み値 Gbit/s 1G 1Gbit/s Mbit/s 1M〜1000M 1Mbit/s kbit/s 1000〜1000000 100kbit/s※2 64〜960 64kbit/s※3 注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。
注※2 設定値が1000k以上の場合100k刻みで指定します(1000,1100,1200,…,1000000)。
注※3 設定値が1000k未満の場合64k刻みで指定します(64,128,192,…,960)。
表4-7 ポート帯域制御の設定範囲(10GBASE-R)
設定単位※1 設定範囲 刻み値 Gbit/s 1G〜10G 1Gbit/s Mbit/s 1M〜10000M 1Mbit/s kbit/s 1000〜10000000 100kbit/s※2 64〜960 64kbit/s※3 注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。
注※2 設定値が1000k以上の場合100k刻みで指定します(1000,1100,1200,…,10000000)。
注※3 設定値が1000k未満の場合64k刻みで指定します(64,128,192,…,960)。
バーストサイズの設定範囲を次の表に示します。
表4-8 バーストサイズの設定範囲
設定範囲 省略時のデフォルト値 4,8,16,32kbyte 32kbyte Leaky Bucketアルゴリズムの特性によるバーストサイズの特徴を次の表に示します。
表4-9 バーストサイズの特徴
バーストサイズ 特徴 小さくする バーストトラフィックが比較的廃棄されやすい。通信をしていない状態でトラフィックを送信した際,送信帯域の揺らぎが比較的小さい。 大きくする バーストトラフィックが比較的廃棄されにくい。通信をしていない状態でトラフィックを送信した際,送信帯域の揺らぎが比較的大きい。 ポート帯域制御の対象となるフレームの範囲はMACヘッダからFCSまでです。ポート帯域制御の対象範囲を次の図に示します。
図4-4 ポート帯域制御の対象範囲
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