コンフィグレーションガイド Vol.2

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21.1.6 Linktrace

Linktraceはレイヤ2レベルで動作するtraceroute相当の機能です。同一MA内のMEP-MEP間またはMEP-MIP間を経由する装置の情報を収集し,ルート情報を出力します。

リンクトレースメッセージ(CFM PDUの一種)を送信し,返ってきた応答をルート情報として収集します。

宛先にリンクトレースメッセージを送信した例を次の図に示します。

図21-23 宛先にリンクトレースメッセージを送信

[図データ]

リンクトレースメッセージは宛先までMIPを介して転送されます。MIPは転送する際に,自装置のどのポートで受信し,どのポートで転送したのかを応答します。送信元装置はルート情報として応答メッセージを保持します。

宛先にリンクトレースメッセージを転送した例を次の図に示します。

図21-24 宛先にリンクトレースメッセージを転送

[図データ]

応答を返したMIPは宛先までリンクトレースメッセージを転送します。装置Cのように,MEPまたはMIPが設定されていない装置は応答を返しません(応答を返すには一つ以上のMIPが設定されている必要があります)。

宛先のMEPまたはMIPまでリンクトレースメッセージが到達すると,宛先のMEPまたはMIPは到達したことと,どのポートで受信したのかを送信元に応答します。

送信元では,保持した応答をルート情報として出力し,宛先までのルートを確認します。

Linktraceは装置単位に応答します。例えば,装置内に設定されたMIPが一つでも複数でも,どちらの場合も同じように,受信ポートと転送ポートの情報を応答します。

LinktraceはCCの学習内容を使用するため,事前にCCを動作させておく必要があります。また,宛先にMIPを指定する場合は,事前にMIPのポートのMACアドレスを調べておく必要があります。

(a) Linktraceによる障害の切り分け

Linktraceの実行結果によって,障害が発生した装置やポートなどを絞り込めます。

タイムアウトを検出した場合

Linktraceでタイムアウトを検出した例を次の図に示します。

図21-25 Linktraceでタイムアウトを検出した例

[図データ]

この例では,装置AがLinktraceでタイムアウトを検出した場合,ネットワーク上の受信側のポートが通信できない状態が考えられます。リンクトレースメッセージが装置Bから装置Cに転送されていますが,装置Cが通信できない状態になっていて,応答を返さないため,タイムアウトになります。

転送不可を検出した場合

Linktraceで通信不可を検出した例を次の図に示します。

図21-26 Linktraceで通信不可を検出した例

[図データ]

装置AがLinktraceでの転送不可を検出した場合,ネットワーク上の送信側のポートが通信できない状態が考えられます。これは,装置Cが装置D(宛先)にリンクトレースメッセージを転送できなかった場合,装置Aに送信側ポートが通信できない旨の応答を返すためです。

(b) Linktraceの応答について

リンクトレースメッセージはマルチキャストフレームです。

CFMが動作している装置でリンクトレースメッセージを転送する際には,MIP CCMデータベースとMACアドレステーブルを参照して,どのポートで転送するか決定します。

CFMが動作していない装置ではリンクトレースメッセージをフラッディングします。このため,CFMが動作していない装置がネットワーク上にある場合,宛先のルート以外の装置からも応答が返ります。

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