コンフィグレーションガイド Vol.1
Ring Protocolとは,スイッチをリング状に接続したネットワークでの障害の検出と,それに伴う経路切り替えを高速に行うレイヤ2ネットワークの冗長化プロトコルです。
レイヤ2ネットワークの冗長化プロトコルとして,スパニングツリーが利用されますが,障害発生に伴う切り替えの収束時間が遅いなどの欠点があります。Ring Protocolを使用すると,障害発生に伴う経路切り替えを高速にできるようになります。また,リングトポロジーを利用することで,メッシュトポロジーよりも伝送路やインタフェースの必要量が少なくて済むという利点もあります。
Ring Protocolの適用例を次の図に示します。
図21-1 Ring Protocolの適用例(その1)
図21-2 Ring Protocolの適用例(その2)
Ring Protocolによるリングネットワークの概要を次の図に示します。
図21-3 Ring Protocolの概要
リングを構成するノードのうち一つをマスタノードとして,ほかのリング構成ノードをトランジットノードとします。各ノード間を接続する二つのポートをリングポートと呼び,マスタノードのリングポートにはプライマリポートとセカンダリポートがあります。マスタノードはセカンダリポートを論理ブロックすることでリング構成を分断します。これによって,データフレームのループを防止しています。マスタノードはリング内の状態監視を目的とした制御フレーム(ヘルスチェックフレーム)を定期的に送信します。マスタノードは,巡回したヘルスチェックフレームの受信,未受信によって,リング内で障害が発生していないかどうかを判断します。障害または障害復旧を検出したマスタノードは,セカンダリポートの論理ブロックを設定または解除することで経路を切り替え,通信を復旧させます。
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