トラブルシューティングガイド

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3.14.1 GSRPの通信障害

GSRP構成で通信ができない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。

表3-67 GSRP構成での通信障害時の解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 同一GSRPグループを構成する本装置と相手装置で,通信障害となっているVLANが所属するVLANグループの状態をshow gsrpコマンドで確認してください。 一方がMaster,他方がMaster以外となっている場合は,項番2へ。
一方がBackup(No Neighbor)となっている場合は,ダイレクトリンク間の通信異常を復旧してください。また,フィルタによってGSRP Advertiseフレームが廃棄されているか,またはQoS制御の帯域監視,廃棄制御もしくはシェーパによってGSRP Advertiseフレームが廃棄されている可能性があります。「3.25.1 フィルタ/QoS設定情報の確認」を参照し,確認してください。
必要に応じ,Backup(No Neighbor)となっている一方をset gsrp masterコマンドでMasterにしてください。
両方がBackup,またはBackup(Waiting)となっている場合は,装置間でマスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)が同一となっているか確認してください。
両方がBackup(Lock)となっている場合は,一方または両方のロック状態を解除してください。
両方がMasterとなっている場合には,片方のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
その他の場合は,一時的な状態遷移の過渡状態です。しばらく通信復旧をお待ちください。
2 本装置の該当VLANポートの状態,および通信パス上の装置を確認してください。 異常となっている本装置の該当VLANポート,または通信パス上の装置を復旧してください。
以下の条件をすべて満たす場合は,activateコマンドで該当VLANポートをactive状態にしてください。
  • 該当VLANポートに対するMACアドレステーブルフラッシュ方法がResetである場合(show gsrpコマンドでportパラメータを指定して確認してください)
本装置の該当VLANポート,または通信パス上の装置に異常がない場合は項番3へ。
3 本装置の該当VLANポートに対するMACアドレステーブルフラッシュ方法(GSRP/Reset/No)をshow gsrpコマンドでportパラメータを指定して確認してください。 MACアドレステーブルフラッシュ方法がGSRP/Resetのどちらかであり,構成と合っていない場合は,コンフィグレーションコマンドgsrp reset-flush-port,gsrp no-flush-portを修正してください。
MACアドレステーブルフラッシュ方法がGSRP/Resetのどちらかであり,構成と合っている場合は,本装置のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
MACアドレステーブルフラッシュ方法がNoの場合は,通信パス上の隣接装置のMACアドレステーブルがエージングされるまでお待ちください。

GSRP構成でマスタ/バックアップが意図したとおりに切り替わらない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。

表3-68 GSRP構成での状態異常時の障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 マスタ/バックアップが意図したとおりに切り替らないVLANグループの状態をshow gsrpコマンドで確認してください。 一方がMaster,他方がMaster以外となっている場合は,項番2へ。
一方がBackup(No Neighbor)となっている場合は,ダイレクトリンク間の通信異常を復旧してください。また,必要に応じ,Backup(No Neighbor)となっている一方をset gsrp masterコマンドでMasterにしてください。
両方がBackup,またはBackup(Waiting)となっている場合は,装置間でマスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)が同一となっているか確認してください。
両方がBackup(Lock)となっている場合は,一方または両方のロック状態を解除してください。
両方がMasterとなっている場合には,片方のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
その他の場合は,一時的な状態遷移の過渡状態です。しばらくお待ちください。
2 マスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)と本装置,および相手装置のアクティブポート数(Active-Ports),優先度情報(Priority),MACアドレスに基づくマスタ/バックアップ選択が正しいかをshow gsrp,show gsrp <GSRP-ID> vlan-group <VLAN group ID list>コマンドで確認してください。 正しいが,アクティブポート数(Active Ports)とアップポート数(Up Ports)が一致していない場合は,項番3へ。
正しくない場合は,本装置のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
3 アクティブポートに反映するまでの遅延時間(port-up-delay)と遅延残時間(delay)をshow gsrp detail,show gsrp <GSRP-ID> port <Port list>コマンドで確認してください。 遅延時間(port-up-delay)が無限(infinity)であり,アップポート数(UP Ports)をアクティブポート数(Active Ports)に反映したい場合は,clear gsrp port-up-delayコマンドを実行してください。
遅延時間(port-up-delay)が無限(infinity)でなく,遅延残時間(delay)が残っている場合は,遅延残時間後に反映されるため,お待ちください。また,即時に反映したい場合は,clear gsrp port-up-delayコマンドを実行してください。

GSRP構成でGSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトを検出し,隣接不明状態になる場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。

表3-69 GSRP構成での隣接不明時の障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 GSRP Advertiseフレームの送信間隔(Advertise Interval),およびGSRP Advertiseフレームの保持時間(Advertise Hold Time)をshow gsrp detailコマンドで確認してください。 GSRP Advertiseフレームの保持時間がGSRP Advertiseフレームの送信間隔より小さいか,または同じ場合は,GSRP Advertiseフレームの保持時間にGSRP Advertiseフレームの送信間隔より大きな値を設定してください。
GSRP Advertiseフレームの保持時間がGSRP Advertiseフレームの送信間隔より大きい場合は,ネットワーク環境に応じて,GSRP Advertiseフレームの保持時間を現在より大きい値に設定してください。
3.25.1 フィルタ/QoS設定情報の確認」を参照し,フィルタ,QoS制御の帯域監視,廃棄制御,またはシェーパによってGSRP Advertiseフレームが廃棄される要因がないかを確認してください。

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