運用コマンドレファレンス Vol.2
[機能]
IPルーティング・プログラムが送受信する各プロトコルのルーティング・パケットをリアルタイムに表示します。また,[Ctrl+C]の入力によって表示を終了し,コマンド・プロンプトに戻ります。本コマンドは,複数のユーザが同時に使用することはできません。
[入力形式]
debug ip { all | <Protocol> } [summary]
[パラメータ]
- all
- すべてのプロトコル(RIP,OSPF,BGP4)の送受信パケットを表示します。
- <Protocol>
- 指定したプロトコルの送受信パケットを表示します。
- <Protocol>には,rip,bgp,ospfを指定します。
- 複数のプロトコルを同時に指定できます。
- summary
- 送受信パケットの簡易情報(ヘッダ情報)を表示することを指定します。
- 省略時は,パケットの詳細情報を表示します。
[使用者レベル]
一般ユーザ
[実行例]
OSPFで送受信するルーティング・パケットを簡易表示します。
図3-107 ルーティング・パケットの簡易表示
>debug ip ospf summary OSPF SENT 192.1.1.1(-) -> 224.0.0.5 Hello Vers: 2 Len: 48 OSPF SENT 192.1.1.1(-) -> 224.0.0.5 Hello Vers: 2 Len: 48 ^C >OSPFで送受信するルーティング・パケットを詳細表示します。
図3-108 ルーティング・パケットの詳細表示
>debug ip ospf OSPF SENT 192.1.1.1(-) -> 224.0.0.5 Hello Vers: 2 Len: 48 OSPF SENT RouterID: 1.1.1.1 Area: 0.0.0.0 Checksum: 0x748e OSPF SENT Auth: Type: 0 Key: 00000000.00000000 OSPF SENT Netmask: 255.255.255 Hello Int: 10 Options: <Externals> OSPF SENT Pri: 1 DeadInt: 40 DR: 192.1.1.2 BDR: 192.1.1.1 OSPF SENT Attached routers: 2.2.2.2 OSPF RECV 192.1.1.2(-) -> 224.0.0.5 Hello Vers: 2 Len: 48 OSPF RECV RouterID: 2.2.2.2 Area: 0.0.0.0 Checksum: 0x748e OSPF RECV Auth: Type: 0 Key: 00000000.00000000 OSPF RECV Netmask: 255.255.255 Hello Int: 10 Options: <Externals> OSPF RECV Pri: 1 DeadInt: 40 DR: 192.1.1.2 BDR: 192.1.1.1 OSPF RECV Attached routers: 1.1.1.1 ^C >
[表示説明]
表示画面で下記メッセージを表示した場合は,debug ipコマンドの送受信バッファが満杯などで,各プロトコルのルーティングパケットを表示できなかった事を示しています。
An illegal PACKET-MONITOR packet has been received
[ユーザ通信への影響]
なし
[応答メッセージ]
表3-25 debug ipコマンド応答メッセージ
項番 メッセージ内容 意味 1 Sorry, there is another packet-monitor command debug ip packet-monitorコマンドはすでに実行されています。 2 connection failed to rtm IPルーティングプログラムとの通信が失敗しました。
コマンドを再投入してください。頻発する場合は,restart unicast(IPv4)コマンド(「restart unicast(IPv4)」参照)でIPルーティングプログラムを再起動してください。3 rtm is not response. IPルーティングプログラムからの応答がありません。
コマンドを再投入してください。頻発する場合は,restart unicast(IPv4)コマンド(「restart unicast(IPv4)」参照)でIPルーティングプログラムを再起動してください。4 program error occurred: <Error Message> プログラムエラーが発生しました。
コマンドを再投入してください。<Error Message>:エラーメッセージ(発生元(エラー要因)) 5 IP routing is not configured. IPルーティングが定義されていません。
構成定義情報を確認してください。
[注意事項]
- 本コマンドを使用した場合,IPルーティング・プログラムの負荷が増加し,多量の経路を取り扱っている場合には,経路制御に支障をきたすことがあります。デバッグ・モード以外での本コマンドの使用は避けてください。
- 本コマンドは指定したルーティング・プロトコルのルーティング・パケットを送受信する度にメッセージを出力します。リダイレクトによるファイルへの出力はしないでください。
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