構成定義コマンドレファレンス Vol.1
Configuredトンネルおよび6to4トンネルのための,トンネル情報を設定します。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定
- Configuredトンネル:
- tunnel <Tunnel Name> <Own_Address> remote <Remote_Address>
- >>移行モード:tunnel
- 6to4トンネル:
- tunnel <Tunnel Name> 6to4
- >>移行モード:tunnel
- 情報の変更
- Configuredトンネル:
- tunnel <Tunnel Name> [<Own_Address> remote <Remote_Address>]
- >>移行モード:tunnel
- 6to4トンネル:
- tunnel <Tunnel Name> [6to4]
- >>移行モード:tunnel
- 情報の削除
- delete [-r] tunnel <Tunnel Name>
- 情報の表示
- show [-r] tunnel <Tunnel Name>
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定/変更
- mtu <MTU>
- ttl_hoplimit <TTL HopLimit>
- disable
- description <strings>
- 情報の削除
- delete mtu
- delete ttl_hoplimit
- delete disable
- delete description
[モード階層]
tunnel
[パラメータ]
- <Tunnel Name>
- トンネル名を指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
最大14文字までの文字列を入力可能です。
- <Own_Address>
- Configuredトンネルを設定する自局インタフェースのアドレスを指定します。
- IPv6 over IPv4 Configuredトンネルの場合:
- カプセル化されたIPv6パケットの送受信を行うインタフェースのIPv4アドレスをドット記法で指定します。
- IPv4 over IPv6 Configuredトンネルの場合:
- カプセル化されたIPv4パケットの送受信を行うインタフェースのIPv6アドレスをコロン記法で指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
情報の設定の場合は省略できません。情報の変更の場合は省略可能で,初期値は情報の設定時の設定値となります。
- 本パラメータの設定範囲
- IPv4アドレス:IPv4アドレスをドット記法で指定します。
- IPv6アドレス:IPv6グローバルアドレスをコロン記法で指定します。
- <Remote_Address>
- Configuredトンネルを設定する相手局インタフェースのアドレスを指定します。
- IPv6 over IPv4 Configuredトンネルの場合:
- カプセル化されたIPv6パケットの送受信を行う相手局インタフェースのIPv4アドレスをドット記法で指定します。
- IPv4 over IPv6 Configuredトンネルの場合:
- カプセル化されたIPv4パケットの送受信を行う相手局インタフェースのIPv6アドレスをコロン記法で指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
情報の設定の場合は省略できません。情報の変更の場合は省略可能で,初期値は情報の設定時の設定値となります。
- 本パラメータの設定範囲
- IPv4アドレス:IPv4アドレスをドット記法で指定します。
- IPv6アドレス:IPv6グローバルアドレスをコロン記法で指定します。
- 6to4
- 該当トンネルが6to4トンネルであることを指定します。
[サブコマンド]
- mtu <MTU>
- トンネルインタフェースのMTUサイズをオクテット単位で指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
1280
- 値の設定範囲
1280〜65515
- ttl_hoplimit <TTL HopLimit>
- 自装置でカプセル化する際にIPヘッダに設定する中継限界数を指定します。
- IPv6 over IPv4 Configuredトンネルの場合:
- IPv6パケットをIPv4でカプセル化する際,付加するIPv4ヘッダ中のTTLフィールドに設定する値を<TTL HopLimit>で指定します。
- IPv4 over IPv6 Configuredトンネルの場合:
- IPv4パケットをIPv6でカプセル化する際,付加するIPv6ヘッダ中のHop Limitフィールドに設定する値を<TTL HopLimit>で指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
30
- 値の設定範囲
1〜254
- disable
- 該当のトンネルの閉塞を指定します。
- description <Strings>
- 該当トンネルの補足説明を設定します。トンネルに関するメモとしてご使用いただけます。なお,本設定を行うとifDescr(SNMP MIB)で確認できます。
- 本パラメータ省略時の初期値
初期値はNULLです。
- 値の設定範囲
64字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字は,英数字と 特殊文字が使用可能です。ただし,入力文字列に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても入力可能です。なお,descriptionの定義は装置当り,最大1000エントリ定義可能です。
[入力例]
- トンネルの設定
トンネル名称TokyoOsakaとしてIPv6 over IPv4トンネル(172.16.50.10-172.16.30.40)を設定します。
トンネル名称TokyoNagoyaとしてIPv4 over IPv6トンネル(3ffe:501:811:ff01::10-3ffe:501:811:ff01::20)を設定します。
(config)# tunnel TokyoOsaka 172.16.50.10 remote 172.16.30.40 [tunnel TokyoOsaka] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.10 remote 172.16.30.40 (config)#
ライン名称UpLineに設定してあるIPv4アドレス(16.1.2.3)を使い,トンネル名称SixToFourとして6to4トンネルを設定します。
(config)# tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 [tunnel TokyoNagoya] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.10 remote 172.16.30.40 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 (config)#
トンネル名称TokyoFukuokaとしてIPv6 over IPv4トンネル(172.16.60.20-172.16.30.40)を,MTUサイズ1480,カプセル化時のTTL値64,閉塞指定で設定します。
(config)# line UpLine ethernet 0/0 [line UpLine] (config)# ip 16.1.2.3/8 [line UpLine] (config)# exit (config)# tunnel SixToFour 6to4 [tunnel SixToFour] (config)# ip 2002:1001:0203::1/16 [tunnel SixToFour] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.10 remote 172.16.30.40 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 (config)#
(config)# tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# mtu 1480 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# ttl_hoplimit 64 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# disable [tunnel TokyoFukuoka] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.10 remote 172.16.30.40 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1480 ttl_hoplimit 64 disable (config)#- 設定情報の変更
トンネル名称TokyoOsakaのアドレスを(172.16.50.100-172.16.100.80)に変更します。
トンネル名称SixToFourで使用するIPv4アドレスを変更します。
(config)# tunnel TokyoOsaka 172.16.50.100 remote 172.16.100.80 [tunnel TokyoOsaka] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.100 remote 172.16.100.80 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1480 ttl_hoplimit 64 disable (config)#
トンネル名称TokyoFukuokaのMTUサイズを1400,カプセル化時のTTL値を60に変更します。
(config)# line UpLine2 ethernet 0/1 [line UpLine2] (config)# ip 16.214.248.1/8 [line UpLine2] (config)# exit (config)# tunnel SixToFour [tunnel SixToFour] (config)# ip 2002:10d6:f801::1/16 [tunnel SixToFour] (config)# exit (config)#
閉塞指定されているトンネル名称TokyoFukuokaのトンネルの閉塞指定を解除します。
(config)# tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# mtu 1400 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# ttl_hoplimit 60 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# exit (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.100 remote 172.16.100.80 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1400 ttl_hoplimit 60 disable (config)#
(config)# tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 [tunnel TokyoFukuoka] (config)# delete disable [tunnel TokyoFukuoka] (config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.100 remote 172.16.100.80 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1400 ttl_hoplimit 60 (config)#- 設定情報の表示
- すべての表示
定義されたすべての回線の情報を表示します。
(config)# show tunnel tunnel TokyoOsaka 172.16.50.100 remote 172.16.100.80 ! tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:f01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1400 ttl_hoplimit 60 (config)#
- 個別表示
トンネル名TokyoNagoyaの情報を表示します。
(config)# show tunnel TokyoNagoya tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 (config)#- 設定情報の削除
- 指定削除
指定されたインタフェース名称の情報を削除します。
(config)# delete tunnel TokyoOsaka (config)# show tunnel tunnel TokyoNagoya 3ffe:501:811:ff01::10 remote 3ffe:501:811:ff01::20 ! tunnel SixToFour 6to4 ! tunnel TokyoFukuoka 172.16.60.20 remote 172.16.30.40 mtu 1400 ttl_hoplimit 60 (config)#
[注意事項]
- <Own_Address>には自装置のインタフェースに設定されているアドレスを指定してください。
- トンネルを設定する双方の装置間で,相手局インタフェースのアドレスに到達性のあることを確認してください。
- アドレス変換機能装置等を使用した相手局アドレスに対してトンネルの設定を行った場合,正常に通信できないことがあります。
- トンネルインタフェース使用を定義すると,定義可能な論理インタフェース数はRP当たり255となります。
- 一つのRPに256個の論理インタフェースが定義されている場合,トンネルインタフェースを使用できません。複数のRPの論理インタフェース数の合計が256個の場合(例えば,RP#0に128個RP#1に128個など),トンネルインタフェースを使用できます。
- 論理インタフェース番号255がすでに使用されている場合は,トンネルインタフェースを設定できません。一つのRPに既設定済み論理インタフェースが256個未満の場合は,再初期化によりトンネルインタフェースを使用できます。
- 本装置のトンネルインタフェースで多量のパケット中継を行う場合は,構成定義のユーザデフォルト情報でtunnel_optimizeを設定してください。これはRMでのパケット中継処理をトンネル中継に最適化する機能です。なお,RPでのトンネル高速中継を使用する場合は,本オプションは無効となります。
- (config)# default tunnel_optimize:トンネル中継処理に最適化します。
- (config)# default tunnel_optimize_off:トンネル中継処理に最適化せず,IPv6パケット中継性能が最大となるようにします。
- IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
- 6to4インタフェースは装置当たり一つとなります。トンネルインタフェースは,6to4/Configuredトンネル合わせて,装置当たり1024個です。
- 6to4トンネルインタフェースに定義可能なIPv6アドレスは,以下の条件を満たす必要があります。
- 2002:から始まるIPv6アドレスであること。
- IPv6アドレスのプレフィックス長が16であること(16より大きい場合,6to4ルータ(サイト)間ではstatic定義をすれば通信可能ですが,ネイティブIPv6サイトに接続する6to4ルータとの通信はできません)。
- 2002:xxxx:xxxx:の”xxxx:xxxx”部分に16進表記で記載するIPv4アドレスが,IPv4グローバルユニキャストアドレスアドレスであること。
- 上記IPv4アドレスが,すでに装置に定義済みであること。
- 6to4トンネルインタフェースに定義できるIPv6アドレスは一つです(マルチホーム定義は不可)。
- 6to4トンネルインタフェースにはリンクローカルアドレスは自動/手動どちらでも設定されません。
- 6to4トンネルインタフェースでは,destination_ip_Addressを設定しても無効です。
- 6to4トンネルからConfiguredトンネルへの変更,Configuredトンネルから6to4トンネルへの変更はできません。変更するには,当該トンネル構成定義をいったん削除してから,再度トンネル構成定義を設定してください。
- 本装置では,トンネルインタフェースに対して経路MTU探索を行いません。そのため,MTUサイズの指定は注意深く行う必要があります。
- IPv4 over IPv6トンネルの場合,MTUサイズを省略時の初期値より大きくするとIPv6中継ノードでMTUオーバーが発生する可能性があります。このとき,MTUオーバーを検出したノードがICMPv6エラーを送信しますが,本装置にはICMPv6をIPv4ネットワークにリレーする機能がないため,元のパケットの送信元に対してエラーを通知する手段がありません。このため,トンネルで使用する可能性のあるすべてのIPv6パスでの最小MTUを超えないよう考慮してトンネルMTUサイズを設定してください。
- IPv6 over IPv4トンネルの場合,MTUサイズを省略時の初期値より大きくするとIPv4中継ノードでフラグメントする回数が増え,中継性能が低下する可能性があります。
- 本装置のIPv6 over IPv4,IPv4 over IPv6および6to4トンネルインタフェースにて,トンネルを構成する物理インタフェース上でフラグメントされたパケットを受信した場合,パケットの再構成処理でパケットが廃棄される場合があります。物理インタフェースがイーサネットの場合,パケットサイズが46000バイト以上のパケットを受信すると廃棄が発生する可能性があります。
また,本装置同士でトンネルを構成する場合は,トンネルインタフェースのMTUを物理インタフェースのMTUに対してフラグメントが発生しないように設定してください。
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