構成定義コマンドレファレンス Vol.1

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bod(BOD情報)

オーバーロードの情報を設定するコマンドです。

[入力モード]

グローバルコンフィグモード

[入力形式]

bod情報の設定
bod <Bod Name> links <Number>
 >>移行モード:bod

bod情報の削除
delete bod <Bod Name>

bod情報の表示
show bod [<Bod Name>]

[サブコマンド入力形式]

bod情報の設定
overload_procedure { mp | proprietary }
{ bap | bap_off }
overload_link_add_threshold <Percent>
overload_link_drop_threshold <Percent>
overload_measuring_period { no | <Second> }
overload_traffic_watch_type { send | receive | both }
{ resource_bod | resource_bod_off }
resource_bod_retry_times <Count>
{ auto_return | auto_return_off }
{ provide_phone_number | provide_phone_number_off }
source_mrru <Bytes>
add_drop_retry_timer <Second>

bod情報の変更
links <Number>
overload_procedure { mp | proprietary }
{ bap | bap_off }
overload_link_add_threshold <Percent>
overload_link_drop_threshold <Percent>
overload_measuring_period { no | <Second> }
overload_traffic_watch_type { send | receive | both }
{ resource_bod | resource_bod_off }
resource_bod_retry_times <Count>
{ auto_return | auto_return_off }
{ provide_phone_number | provide_phone_number_off }
source_mrru <Bytes>
add_drop_retry_timer <Second>

bod情報の削除
delete overload_procedure
delete { bap | bap_off }
delete overload_link_add_threshold
delete overload_link_drop_threshold
delete overload_measuring_period
delete overload_traffic_watch_type
delete { resource_bod | resource_bod_off }
delete resource_bod_retry_times
delete { auto_return | auto_return_off }
delete { provide_phone_number | provide_phone_number_off }
delete source_mrru
delete add_drop_retry_timer

[モード階層]

bod

[パラメータ]

<Bod Name>
Bodの名称を指定します。最大14文字の文字列を入力可能です。

[サブコマンド]

links <Number>
当該BOD条件に従ってオーバーロードする場合に使用するリンク数を定義します。専用線とISDNでオーバーロードを行う場合,専用線を含んだリンク数を指定します。
  1. 値の設定範囲
    <Number>に,1〜6(10進数)が設定できます。
メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のLineまたはチャネルは再起動しません。

overload_procedure { mp | proprietary }
オーバーロード接続時の手順を指定します。

mp:マルチリンクPPP接続によりオーバーロードを行います。

proprietary:独自手順によりオーバーロードを行います。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    マルチリンクPPP接続の設定となります。
メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のLineまたはチャネルが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。

{ bap | bap_off }
マルチリンクPPP上でリンク追加/削除をネゴシエートするBAP手順を使用するかしないかを設定します。

bap:マルチリンクPPP上でBAPを使います。

bap_off:マルチリンクPPP上でBAPを使いません。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    BAPを使わない設定となります。
メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合,当該BODを使用するisdn_pppが使用中のチャネルが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。

overload_link_add_threshold <Percent>
回線使用率監視によるオーバーロードを行う場合に,リンクを追加する閾値を指定します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    なし。回線使用率監視によるオーバーロードを行う場合は必ず設定してください。
  2. 値の設定範囲
    <Percent>に1%〜100%を設定可能です。ただし,本値が後述の”overload_link_drop_threshold”より大きくなるように設定してください。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。
設定値に関しての注意点については,「解説書 Vol.1 5.5.4(3) オーバーロード時の注意点」を参照してください。

overload_link_drop_threshold <Percent>
回線使用率監視によるオーバーロードを行う場合に,リンクを削除する閾値を指定します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    なし。回線使用率監視によるオーバーロードを行う場合は必ず設定してください。
  2. 値の設定範囲
    <Percent>に0%〜99%を設定可能です。ただし,本値が”overload_link_add_threshold”より小さくなるように設定してください。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。
設定値に関しての注意点については,「解説書 Vol.1 5.5.4(3) オーバーロード時の注意点」を参照してください。

overload_measuring_period { no | <Second> }
回線使用率監視によるオーバーロードを行う場合,回線使用率を監視する間隔を指定します。

no:回線使用率監視によるオーバーロードを行いません。

<Second>:<Second>で指定した間隔で回線使用率を監視します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    回線使用率監視によるオーバーロードは行わない設定となります。
  2. 値の設定範囲
    <Second>に5秒〜1275秒を5秒刻みで設定可能です。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

overload_traffic_watch_type { send | receive | both }
回線使用率監視を行う方向を指定します。

send:送信の回線使用率だけ監視します。

receive:受信の回線使用率だけ監視します。

both:送受信両方向の回線使用率を監視します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    送信の回線使用率だけを監視する設定となります。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

{ resource_bod | resource_bod_off }
リソースBODを行うか行わないかを設定します。

resource_bod:リソースBODを行います。

resource_bod_off:リソースBODを行いません。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    リソースBODを行う設定となります。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

resource_bod_retry_times <Count>
リソースBODでバックアップ先のISDNを接続しようとして障害を検出した場合に,ISDNバックアップ接続のリトライ回数を指定します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    3回リトライする設定になります。
  2. 値の設定範囲
    <Count>に0〜255を設定可能です。本値が255の場合,無限リトライします。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

{ auto_return | auto_return_off }
リソースBODでバックアップ先ISDN接続を行っている状態で,バックアップ元の専用線の障害回復を監視し,回復した場合に自動的にルートを切り戻す手順(自動切り戻し)を有効とするかしないかを設定します。

auto_return:自動切り戻しを行います。

auto_return_off:自動切り戻しを行いません。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    自動切り戻しを行う設定となります。
メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

{ provide_phone_number | provide_phone_number_off }
BAPで発呼によるリンク追加のネゴシエーションを行う場合に,相手局に対して電話番号の通知を要求するかしないかを指定します。

provide_phone_number:電話番号を要求します。

provide_phone_number_off:電話番号を要求しません。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    電話番号を要求しない設定となります。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

source_mrru <Bytes>
マルチリンクPPP手順を使う場合の相手MTU長の初期値を指定します。本値を初期値として相手局とのネゴシエーションによりMTU長が確定するため,本値が実際の通信時の相手局MTU長に一致するわけではありません。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    4500バイトになります。
  2. 値の設定範囲
    <Bytes>に128バイト〜4500バイト(10進数)を指定できます。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

add_drop_retry_timer <Second>
BAPを併用したマルチリンクPPP手順を行う場合に,リンク追加/削除の要求を相手局から拒否された場合に,要求をリトライする間隔を指定します。
  1. 本サブコマンド省略時の初期値
    60秒になります。
  2. 値の設定範囲
    <Second>に1秒〜255秒(10進数)を指定できます。
なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,当該BODを使用するisdn_pppまたはpppが使用中のチャネルは再起動しません。次回より変更後の設定値で動作します。

[入力例]

  1. 情報の設定
    3リンクのオーバーロードを以下の条件で行うbod1を定義します。
    BAPを併用したマルチリンクPPP手順
    送受信トラフィック監視あり
    トラフィック監視間隔は60秒
    回線使用率が80%以上でリンク追加
    回線使用率が40%以下でリンク削除
     
    (config)# bod bod1
    [bod bod1]
    (config)# links 3
    [bod bod1]
    (config)# overload_procedure mp
    [bod bod1]
    (config)# overload_measuring_period 60
    [bod bod1]
    (config)# overload_traffic_watch_type both
    [bod bod1]
    (config)# overload_link_add_threshold 80
    [bod bod1]
    (config)# overload_link_drop_threshold 40
    [bod bod1]
    (config)# bap
    [bod bod1]
    (config)# 
     
    2リンクのリソースBODを以下の条件で行うbod2を定義します。
     
    (config)# bod bod2
    [bod bod2]
    (config)# links 2
    [bod bod2]
    (config)# overload_procedure proprietary
    [bod bod2]
    (config)# resource_bod
    [bod bod2]
    (config)# 
     
  2. 情報の変更
    “bod1”のトラフィック監視間隔を90秒に変更し,トラフィック監視種別パラメータを削除します。
     
    (config)# bod bod1
    [bod bod1]
    (config)# overload_measuring_period 90
    [bod bod1]
    (config)# delete overload_tarffic_watch_type
    [bod bod1]
    (config)# 
     
  3. 設定情報の表示
    • すべての表示
      定義されたすべてのbodの情報を表示します。
     
    (config)# show bod
    bod bod1
      links 3
      overload_procedure mp
      overload_measuring_period 90
      overload_link_add_threshold 80
      overload_link_drop_threshold 40
      bap
    !
    bod bod2
      links 2
      overload_procedure proprietary
      resource_bod
    (config)# 
     
    • 任意の表示
      bod1の情報だけ表示します。
     
    (config)# show bod bod1
    bod bod1
      links 3
      overload_procedure mp
      overload_measuring_period 90
      overload_traffic_watch_type both
      overload_link_add_threshold 80
      overload_link_drop_threshold 40
      bap
    (config)# 
     
  4. 設定情報の削除
    bod2を削除します。
     
    (config)# delete bod bod2
     

[関連コマンド]

line(Line情報)

line-group(Line Group情報)

isdn-ppp(ISDN PPP情報)

[注意事項]

  1. IPv6を使用したオーバーロードは未サポートです。
  2. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
  3. オーバーロード使用時の注意点については,「解説書 Vol.1 5.5.4 オーバーロード使用時の注意事項」を参照してください。

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