解説書 Vol.1
PPPoEクライアント機能のサポート仕様を次の表に示します。
表4-12 PPPoEクライアント機能サポート仕様
項目 仕様 セッション数 装置当たり,最大4セッション
回線当たり,最大1セッション
サービスごとのセッション数は1です。※MSS書き換え機能 TCPヘッダオプションのMSS値を適切な値に書き換えます。
書き換え値は構成定義で設定できます。ネットワーク層プロトコル IPv4だけサポートします。
IPv6はサポートしていません。サポート回線 10M/100Mイーサネット回線
ギガビット・イーサネット回線接続方法 オンデマンド接続 サポートしていない 常時接続 装置起動時(ポートオープン時)に自動接続します。何らかの要因でセッションが切断された場合も自動的に再接続します(キープアライブ機能)。
close,freeコマンドによってPPPoEセッション単位で切断・再接続できます。無通信状態監視 サポートしていません。 回線接続状態監視 LCP Echoパケットによる回線監視を行います。
切断を検出した場合,自動再接続を行います。IPアドレスネゴシエーション 相手IPアドレス,自IPアドレスを自動取得します。
固定で自IPアドレス定義された場合も,サーバへ自IPアドレスを通知します。DNSサーバアドレスネゴシエーション プライマリDNS,セカンダリDNSのアドレスを自動取得可能(構成定義設定)します。 NBNSサーバアドレスネゴシエーション サポートしていません。 サービス名選択 PADIパケットのタグにサービス名(構成定義設定で指定)を設定してBAS(AC)に送信します。 BAS(AC)名選択 PADIパケットのタグにBAS(AC)名(構成定義設定で指定)を設定してBAS(AC)に送信します。 注※ フレッツなどの1物理回線で複数セッションをサポートするサービスに加入した場合でも,1サービスの場合は本装置で接続できるセッション数は1セッションてです。
- <この項の構成>
- (1) 他機能との併用
- (2) PPPoEセッションの開始
- (3) パケットフォーマット
(1) 他機能との併用
PPPoEを使用した場合の,PPPoEと他機能との動作可否を次の表に示します。
表4-13 PPPoEと他機能との動作可否
PPPoE以外の機能条件 同一NIFで異なるポート 同一NIF,同一ポート VRRP ○ × VLAN ○ × ブリッジ × × NAT ○ ○ NAT-PT ○ ○ DHCP(サーバ,クライアント,リレー) ○ × マルチホーム ○ × IPv4マルチキャスト ○ × QoS ○ ○ パケットフィルタリング ○ ○ トンネル(IPv6 over IPv4) ○ ○ (凡例) ○:動作できる ×:動作できない
(2) PPPoEセッションの開始
PPPoEディスカバリステージで,PPPoEセッションの開始から確立まで行います。PPPoEセッションが確立され,ホストとBAS(AC)は固有のPPPoEセッションIDと相互のMACアドレスを認識し,PPPセッションステージへ進みます。PPPoEの正常シーケンスを次の図に示します。
PPPoEのディスカバリステージおよびPPPセッションステージで利用するイーサネットフレームのフォーマットを次の図に示します。ディスカバリステージでは宛先のアドレスフィールドにイーサネットブロードキャストアドレス(0xffffffffffff)または宛先のMACアドレスを設定します。PPPセッションステージではディスカバリステージで特定される宛先のMACアドレスを設定します。送信元アドレスフィールドには,送信元のMACアドレスを設定します。また,イーサネットタイプフィールドには0x8863(ディスカバリステージ)または,0x8864(PPPセッションステージ)を設定します。
図4-6 イーサネットフレームのフォーマット
PADI,PADO,PADR,PADSの各パケットのタグの仕様を「表4-14 PADIパケットのタグ」〜「表4-17 PADSパケットのタグ」に示します。
タグタイプ タイプ値 送信時の本装置での設定 End-Of-List 0x0000 使用しない Service-Name 0x0101 構成定義情報の値を設定する AC-Name 0x0102 構成定義情報の値を設定する※ Host-Uniq 0x0103 使用する AC-Cookie 0x0104 使用しない Vendor-Specific 0x0105 使用しない Relay-Session-Id 0x0110 使用しない Service-Name-Error 0x0201 使用しない AC-System-Error 0x0202 使用しない Generic-Error 0x0203 使用しない 上記以外 − 使用しない (凡例) −:該当しない
注※ すべてのBAS(AC)を選択する(構成定義で名前指定しない)場合はタグ自体を設定しません。
タグタイプ タイプ値 受信時の本装置での対応 End-Of-List 0x0000 受け付ける Service-Name 0x0101 受け付ける※1 AC-Name 0x0102 受け付ける※1 Host-Uniq 0x0103 受け付ける※2 AC-Cookie 0x0104 受け付ける Vendor-Specific 0x0105 このタグは無視する Relay-Session-Id 0x0110 受け付ける Service-Name-Error 0x0201 このタグは無視する AC-System-Error 0x0202 このタグは無視する Generic-Error 0x0203 受け付ける※3 上記以外 − このタグは無視する (凡例) −:該当しない
注※1 構成定義で名前指定されている場合はPADIで送信した値と比較して,異なっている場合はPADOパケットを廃棄します。構成定義で名前指定されてない場合は,BAS(AC)から受信した値を無条件に受け付けます。これらのタグは必須であるため,タグが設定されてないPADOパケットを受信した場合はパケットを廃棄します。
注※2 このタグは必須であるため,タグが設定されてないPADOパケットを受信した場合はパケットを廃棄します。また,値が0〜3以外の場合も,PADOパケットを廃棄します。
注※3 致命的なエラーのため,受信した場合はすぐセッションを切断します。タグ値は無視します。
タグタイプ タイプ値 送信時の本装置での設定 End-Of-List 0x0000 使用しない Service-Name 0x0101 PADO受信値を設定する AC-Name 0x0102 PADO受信値を設定する Host-Uniq 0x0103 PADO受信値を設定する AC-Cookie 0x0104 PADO受信値を設定する Vendor-Specific 0x0105 使用しない Relay-Session-Id 0x0110 PADO受信値を設定する Service-Name-Error 0x0201 使用しない AC-System-Error 0x0202 使用しない Generic-Error 0x0203 使用しない 上記以外 − 使用しない (凡例) −:該当しない
タグタイプ タイプ値 受信時の本装置での対応 Service-Name 0x0101 受け付ける※1※2 AC-Name 0x0102 受け付ける※1 Host-Uniq 0x0103 受け付ける※3 AC-Cookie 0x0104 このタグは無視する Vendor-Specific 0x0105 このタグは無視する Relay-Session-Id 0x0110 このタグは無視する Service-Name-Error 0x0201 受け付ける※1※4 AC-System-Error 0x0202 受け付ける※1※4 Generic-Error 0x0203 受け付ける※1※4 上記以外 − このタグは無視する (凡例) −:該当しない
注※1 タグ値は無視します。
注※2 Service-Nameタグは必須であるため,タグが設定されてないPADSパケットを受信した場合はパケットを廃棄します。
注※3 このタグは必須であるため,タグが設定されてないPADSパケットを受信した場合はパケットを廃棄します。また,値が0〜3以外の場合もPADSパケットを廃棄します。
注※4 致命的なエラーのため,受信した場合はすぐセッションを切断します。
(b) PPPセッションステージのパケット
PPPセッションステージの各パケットごとの本装置のサポート内容を「表4-18 LCPパケット」〜「表4-21 IPCP Configure-Requestオプション」に示します。
Code Description References 本装置 1 Configure-Request サポートする 2 Configure-Ack サポートする 3 Configure-Nak サポートする 4 Configure-Reject サポートする 5 Terminate-Request サポートする 6 Terminate-Ack サポートする 7 Code-Reject サポートする 8 Protocol-Reject サポートする 9 Echo-Request サポートする 10 Echo-Reply サポートする 11 Discard-Request 自装置からは送信しないが,相手からの受信は受け付ける 12 Identification(RFC 1570) 受信パケットを廃棄する 13 Time-Remaining(RFC 1570) 受信パケットを廃棄する 表4-19 LCP Configure-Requestオプション
Type Description References 本装置 1 Maximum-Receive-Unit(RFC 1661) サポートする 2 ACCM Rejectを送信※ 3 Authentication-Protocol(RFC 1334, RFC 1661, RFC 1994) サポートする 4 Quality-Protocol(RFC 1661) Reject送信 5 Magic-Number(RFC 1661) サポートする 6 RFLQR Rejectを送信する 7 Protocol-Field-Compression(RFC 1661) Rejectを送信する 8 Address-and-Control-Field-Compression(RFC 1661) Rejectを送信する 9 FCS-Alternatives. RFC 1570 Rejectを送信する 10 Self-Describing-Pad(RFC 1570) Rejectを送信する 11 Numbered-Mode(RFC 1663) Rejectを送信する 12 Identification(RFC 1570) Rejectを送信する 13 Callback(RFC 1570) Rejectを送信する 14 Connect-Time Rejectを送信する 15 Compound-Frames(RFC 1570) Rejectを送信する 16 Nominal-Data-Encapsulation Rejectを送信する 17 Multilink Max-Receive-Reconstructed-Unit (MRRU)(RFC 1990) Rejectを送信する 18 Multilink Short Sequence Number Header Format(RFC 1990) Rejectを送信する 19 variable Multilink Endpoint Discriminator(RFC 1990) Rejectを送信する 20 Proprietary Rejectを送信する 21 DCE-Identifier Rejectを送信する 22 MP+ Procedure Option(RFC 1934) Rejectを送信する 23 Link Discriminator for BACP(RFC 2125) Rejectを送信する 24 LCP-Authentication-Option Rejectを送信する 25 COBS, Consistent Overhead Byte Stuffing Rejectを送信する 26 variable Prefix Elision(RFC 2686) Rejectを送信する 27 Multilink header format(RFC 2686) Rejectを送信する 28 Internationalization(RFC 2484) Rejectを送信する 29 Simple Data Link on SONET/SDH(RFC 2823) Rejectを送信する 30 Reserved until 14-Oct-2002. Rejectを送信する 注※ PPPoEではエスケープシーケンスは使用されません。
Code Description References 本装置 1 Configure-Request サポートする 2 Configure-Ack サポートする 3 Configure-Nak. サポートする 4 Configure-Reject サポートする 5 Terminate-Request サポートする 6 Terminate-Ack サポートする 7 Code-Reject サポートする 表4-21 IPCP Configure-Requestオプション
Type Description References 本装置 1 IP-Addresses(RFC 1332) Rejectを送信する 2 IP-Compression-Protocol(RFC 1332, RFC 2509) Rejectを送信する 3 IP-Address(RFC 1332) サポートする 4 Mobile-IPv4(RFC 2290) Rejectを送信する 129 Primary DNS Server Address(RFC 1877) サポートする 130 Primary NBNS Server Address(RFC 1877) Rejectを送信する 131 Secondary DNS Server Address(RFC 1877) サポートする 132 Secondary NBNS Server Address(RFC 1877) Rejectを送信する
Copyright (c)2005 ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.