株式会社リクルート キーマンズネットに2012年1月16日に掲載された記事より転載
掲載されておりますサービス内容、料金などは、掲載日または更新日時点のものです。
掲載日:2012年2月14日
更新日:2012年8月3日
SUMMARY
「サーバもストレージもソフトウェアも、全部データセンタに移行して、もう社内にはコストやトラブルの種はない」と安心するのは気が早い!いくら外部のクラウドの信頼性が高くても、社内のネットワークスイッチが故障したらすべてのビジネスが停止してしまいます。このリスクを回避する上でも、スイッチの信頼性はクラウド時代のビジネスの生命線といっても過言ではありません。そこで今回は、ネットワーク機器のプロであるアラクサラネットワークスが「高信頼ネットワークスイッチ選びの必須ポイント」をご紹介!
「たかが10%、されど10%」のコストが、自社システムの命運を分けるカギ!?
クラウドへの移行で、安定運用とコスト削減を手に入れたものの…
厳しい景況の中、クラウドの普及は企業のIT投資の負担を劇的に減らしました。導入や日々の運用の手間までをすべてプロに任せて、「これでもう安心」と一息ついている経営者や情報システム担当者は少なくないでしょう。でも、本当にクラウドに接続しただけで大丈夫なのでしょうか?
意外に気づかない、「すべてがクラウドにある」はビジネスにとって諸刃の剣
クラウドでは、ハードウェア/ソフトウェアはもちろん、場合によっては顧客データベースから経理の数字などの重要データまでを、すべて外部のデータセンタに預けます。つまり、万が一ネットワークが止まったらビジネスも完全に止まる!これは様々な便利さの陰に隠れて、意外に見逃されがちなクラウドの大きなリスクです。
クラウドのリスクは社内にあった! スイッチが故障すればすべてが止まる!
とは言え、信頼できる事業者を選べば現代のクラウドの信頼性・可用性は非常に高く、通常は充分に信用できるレベルです。それよりも問題は、社内のネットワークスイッチです。このスイッチが故障すれば、どんな高信頼のクラウドであってもアクセスすることは不可能!完全なクラウド利用環境を目指す以上は、このリスクを解決しなくてはなりません。
ネットワークコストはIT経費の10%だが、命運を分ける10%と知るべし
たとえスイッチの意外な重要性に気づいても、ネットワークコストはIT経費のわずか数%~10数%(企業規模や構成によって異なる)と言われています。それだけに、導入計画の時もほとんど気にしないか、ベンダの提案そのままという例は少なくありません。しかし、この10%のスイッチ品質にこだわることこそが、いつか襲ってくる危機を避ける分かれ目なのです。
ビジネスを止めないスイッチの条件とは、ずばり「冗長化」と「一元管理」!
- 「止まらないネットワーク」を実現することを、「冗長化」と言います。具体的には、万が一障害が発生した場合も止まらないネットワーク構成や、もし停止してしまった時も瞬時に復旧できる仕組みをあらかじめ作っておくことを指します。
- 冗長化の手法としては。これまでSTPなどの「プロトコル」を用いるのが一般的でした。しかし仕組みが複雑で不安定な上、ループ障害などが起きやすい問題がありました。
- そこで現在は、プロトコルに頼らない「スタック機能」を利用した冗長化が新たな主流となりつつあります。複数のスイッチを1台として管理できるためループ障害が起こらず、シンプルで確実な冗長化が実現できます。
- 複数のPCやネットワーク機器の接続回線を一手に引き受けるのが、ネットワークスイッチ。それだけにスイッチの数は少ないほど効率よく高品質な管理が可能になります。
- そのための、スイッチの一元管理化を実現するのが「スタック機能」です。この機能を使うと、複数のスイッチを仮想的に1台としてまとめて管理することが可能です。
- 装置のIPやコンフィグレーション、MIB(Management Information Base)などをひとまとめに管理できるため、接続状況や問題などを発見しやすく、なおかつ運用者の負荷を減らせます。
新搭載のスタック機能が24時間のビジネス継続を支援
レイヤ3スイッチAX3650Sがもたらすメリットとは?
-
- AX3650Sは、従来の不安定なSTPに代わって「リンクアグリゲーション」による冗長化を採用しています。これは複数の回線を仮想的に1本の回線としてまとめて管理する技術です。
- リンクアグリゲーションは、論理的にループしないネットワーク構成を実現し、すべての回線資産を効率的に利用できるため、省コストで高品質な冗長化が可能になります。
-
- AX3650Sの提供する冗長化はネットワーク停止を未然に防ぎ、万が一の際もビジネスに与えるインパクトを極小化します。例えばマスタ障害時にも、数秒単位で瞬時にネットワーク復旧できるため、業務の中断を最小限に食い止めることができます。
- またソフトウェアのバージョンアップなどの作業を、ネットワークを稼働させたまま行えるので、メンテナンスのための計画停止が不要になります。
AX3650S ここがスゴイ!
- マスタ障害時にもネットワークを迅速に復旧して、ビジネスを止めない
- 無停止バージョンアップが可能なので、サービスを停止することなく作業が可能
- 10G(SFP+)ポートを使うため、離れた場所にあるスイッチもまとめて管理できる(スタックできる)
-
- VRFとは1つの装置上にある複数のネットワーク接続を仮想化する技術です。
- AX3650Sではこれをスタック機能と組み合わせて、各接続ごとの管理の効率化やセキュリティ向上を実現しながら、同時に1つのスイッチとして扱うシンプルな構成を実現しています。
-
- このため、同程度の製品と比較してネットワーク内に収容できる端末数を大幅に増やしながら、シンプルで扱いやすい構成で運用者の負荷や管理コストを減らすことに成功しています。
- またAX3650Sは、VRF使用時にもIPv6に対応可能です。このため将来的な利用にも長く耐え、長期的な投資保護に貢献できます。
AX3650S ここがスゴイ!
- 同程度の製品よりネットワーク内に収容可能な端末数を多く持つため、大規模なシステムにも適用できる
- 仮想ネットワーク上でのVRF使用時にもIPv6に対応が可能
2台のスイッチを1台としてまとめて管理できるので、管理工数が減り人手や時間も節約になります。また仮想ネットワーク上により多くの端末を収容できるので、物理スイッチの数を減らせます。しかしそれ以上に大きいのは、圧倒的な高信頼性です。とくにクラウド環境ではネットワークの生き死にが、すべてを左右します。スタック機能はネットワーク停止を未然に防ぐのに役立ち、万が一の際のビジネスの機会損失を極小化します。
-
- アラクサラネットワークスは、ネットワーク複雑化によるデメリットを解消するアプローチとして、「フォールト・トレラント・スイッチ(FTスイッチ)」による冗長ネットワークを提案していました。更に追加されたスタック機能によって、これまでの大型のシャーシ型スイッチ以外にもボックス型スイッチを組み合わせたFT構成が可能になり、ユーザニーズに合わせて自由に使い分けができるようになりました。
- 具体的には、信頼性・収容条件重視ならシャーシ型、低コスト・省スペース重視ならスタックというように選べるため、目的とコストのバランスを最適化できるのが最大のメリットです。
-
- これまでボックス型スイッチでリンクアグリゲーションを行う場合、レイヤ2スイッチであるAX2500SのSML機能を利用していました。今後はスタック化により、ボックス型スイッチ2台によるリンクアグリゲーションが自由に行えるようになり、レイヤ3が必要な場所でもボックス型スイッチが使用可能になりました。
- このため、安価なボックス型スイッチによるレイヤ3でのFT化が可能になり、大幅なコストダウンを実現しています。
AX3650S ここがスゴイ!
- 装置の冗長化に加えて、一元管理のニーズにも対応
- OSPF/BGP、IPv6やネットワーク・パーティションなど、既存のレイヤ3機能も使用可能
たしかに基本の機能的だけを見れば、今や外国製品・日本製品に大きな差はないと言ってよいでしょう。日本製品の最も大きなメリットは、国内にメーカーから販売網、そしてアフターサービス網が充実していることです。スイッチは長く使うものですから、長期間にわたってサービス体制が担保されていることは大きなメリットです。またアラクサラネットワークスは日本のメーカーとして、長年にわたり日本企業のネットワークシステムを手がけてきた実績と豊富なノウハウを持つ点が大きなアドバンテージです。