事例:琉球大学様
琉球大学は、新しいネットワーク技術を積極導入しています。
アラクサラ製品は、10Gbpsのバーストトラフィック処理能力、および過酷な環境への耐性などが評価できます。

60年余の伝統を誇る琉球大学は、「真理の探究」「地域・国際社会への貢献」「平和・共生の追求」を基本理念とし、アジア・太平洋地域における卓越した教育研究拠点としての大学づくりを目指す。
その基盤となる学内ネットワーク構築において、最先端の技術・製品の導入に積極的な琉球大学総合情報処理センター 谷口祐治 氏(写真右)に、アラクサラネットワークス製品への評価を詳しく聞いた。(写真左は、ネットワーク構築、運用を支援した三井情報 沖縄営業所 岸本克巳氏)
| もくじ |
-- 琉球大学の情報ネットワーク構築の背景と特色についてお聞かせください。
1998年に総合情報処理センターが設置されてから、学生や研究者に対してオープンなネットワーク利用環境を提供しつつ、能動的に新技術を採用して評価を行っています。
現在は学生約8,000人と教職員約2,000人にIDを配付して、電子メールを利用した国内外との研究交流や、電子ジャーナル(インターネット経由で読める学術雑誌)、情報検索などの多様なサービスインフラを当センターが提供しています。
具体的には、前身である情報処理センター時代の1996年に学内ネットワークへATMを導入し、 1999年頃からギガビットネットワーク導入へ挑戦、2001年には全学にギガビットを導入といった具合です。
今回のネットワーク再構築は、更なるリッチコンテンツやサービス多様性にも耐え得る 10ギガビット環境に踏み込んだ形となっています。
-- 琉球大学では、アラクサラネットワークス(以下 アラクサラ)の製品をどのような経緯で採用されたのでしょうか。
琉球大学では、2006年に学内のネットワーク設備を全面的に見直しました。その一環として、スイッチやルータなどのネットワーク機器類も、各社の製品に対して費用対効果などの多面的な検討を行いました。
結果として、それまで使っていた大手メーカの製品から、堅牢性も見込めそうなアラクサラの製品を採用することになりました。
※ アラクサラ製品の導入詳細はこちら
-- アラクサラ製品を採用した理由の一つである、堅牢性について具体的にお聞かせください。
堅牢性という言葉には、二つの意味合いがあります。
- 大規模トラフィックに耐えうること
- 沖縄の過酷な環境でもハードウエアが壊れないこと
1の大規模トラフィックについては、10Gbpsネットワークを念頭に置いた場合、費用対効果の面でアラクサラが勝りました。
2の沖縄環境については、通年で最高気温が34度である上に、平均の相対湿度が76%を越えるという結露もしやすい環境が基本にあります(詳細は後述)。
-- 堅牢性1「大規模トラフィックに耐えうること」とは、具体的にはどういうことでしょう。
琉球大学の学内ネットワークでは、瞬間的に10Gbpsのバーストトラフィックが発生することがあります。アラクサラ製品はスペック上での性能だけではなく、実際の巨大トラフィックにも良く耐えています。具体的には以下の通りです。
- 10~50台のPCを備えた実習室が20箇所に点在しています。
- 実習室のPCは、いずれもシンクライアントであり、ネットブートで起動します。 具体的には、サーバ上のOSイメージをLAN経由で取りに行き、OSをメモリに取り込んで起動します。
- 各実習室では同時刻に授業が行われるため、同時使用時には2~3教室で約100台~150台が 一斉にサーバへ通信を行い、何十MBものOSイメージダウンロードが行われます。
- この他、全学に点在する研究室からの通信を含めて、瞬間的に10Gbpsクラスのバーストトラフィックが生じます。 しかし、アラクサラ製品はこのバーストトラフィックに良く耐えており、 むしろサーバの方がボトルネックになっている状況です。
(4)「暑さ」「湿度(結露)」「塩分」「電源の不安定さ」への耐性
-- 堅牢性2「沖縄の過酷な環境でもハードウエアが壊れないこと」とは、具体的にはどういうことでしょう。
沖縄の環境は、「暑さ」「湿度(結露)」「塩分」「電源の不安定さ」という点で過酷です。
第一に「暑さ」。前述した通り、沖縄は一年中暑い地域です。しかしネットワーク機器は全てが必ずしも快適なサーバルームに置かれるわけではなく、末端機器は各学部棟へ無造作に設置されることもあります。そして情報機器は物理的な仕事をしない分、消費電力は全て熱に変わります。沖縄の暑さの中で、さらに機器自身が熱を出す。ネットワーク機器には厳しい環境です。
第二に「湿度」および「塩分」。沖縄は非常に「湿度」が高い地域です。さらに悪いことに、その湿気には海風による「塩分」が混じっています。かつて、PCのネットワークカードが差し込み接点で塩を吹いて使えなくなった例がありました。そのカードはエアコン常備の実習室PCに挿していたのですが、それでもダメでした。たとえサーバルームであっても、空気中の塩分を100%免れているわけではないという認識です。
最後に「電源の不安定さ」。琉球大学が位置する宜野湾地区は、電気の供給が不安定な地域です。雷など落ちると電源がふらつくことが多々あります。
ここに挙げたように、沖縄はネットワーク機器などの機械類には過酷な環境です。アラクサラ製品を採用したのは、日立とNECを母体とする信頼できる国産ベンダーの製品であれば(※)、この劣悪な環境でも安定稼働してくれると期待しているからです。
※ アラクサラネットワークスは、日立製作所とNECの合弁会社です。
-- 続いて、学内ネットワークの運用をサポートしている三井情報の岸本様にお聞きします。運用の立場から、アラクサラ製品への評価をお聞かせください。
アラクサラ製品には幾つかの「気が利いた実装」があり、運用面の助けとなります。
第一に、「運用ツール」。アラクサラのOAN製品(※)を利用することで、VLANを設定した場合の接続トポロジーをビジュアル化することができます。琉球大学には約200以上のVLANがあるため、このようなビジュアルツールは認識・整理の助けとなり、今後活用していくことを検討しています。
第二に、「SDカードによる環境設定」。SDカードに自動バックアップのスクリプトを入れておけば、機器に挿すだけでバックアップが実行できます。バックアップしたデータは、自動リストアのスクリプトで簡単に戻すことができるので、特に機器台数が多くなるエッジの保守が容易になります。
第三に、「設定などの操作性」。各機器の設定は、シンプルかつ体系的でクセがありません。ネットワークの基礎知識があれば、マニュアルを熟読しなくても無理なく操作・設定できる体系になっています。
※ OAN : Open Autonomic Networking、アラクサラの提唱する新しい運用管理体系。
-- 再び谷口先生にお聞きします。その他、アラクサラ製品で評価できる点は何でしょう。
IPv6に積極的な点が評価できます。琉球大学のベクトルと合っており良いと思います。
冒頭で述べたとおり、琉球大学は新技術に意欲的でIPv6も積極的に導入していくつもりです。現在は、情報工学科のみデュアルスタックでIPv6を導入していますが、近い将来には全学にIPv6を導入する予定です。IPv6の効果や良さは、小さく導入するよりも大学の全キャンパス規模で動かした方がよく分かるでしょうから。
-- アラクサラへの今後の期待をお聞かせください。
アラクサラは堅牢なネットワーク機器を作ると標榜しています。そんなアラクサラには、ぜひプラントや工場などの過酷な環境に多く導入されて実績を積み上げてほしいと期待しています。機器の堅牢性は劣悪な環境で安定動作できるかどうかで分かるからです。その意味では、高温・多湿・塩分・電源不安定という琉球大学の環境は良いハードルとなるでしょう。
アラクサラには、今後も高機能かつ堅牢なネットワーク機器を開発していただき、琉球大学の学内ネットワーク安定稼働を下支えしていただきたいと思います。今後とも宜しくお願いします。
お忙しい中、有り難うございました。
※ 琉球大学のWebサイト
※ 取材日時 2007年6月 ※ 取材制作:カスタマワイズ

