現在の中堅企業での標準的なネットワークを例にそのエネルギー消費量を試算してみます。PCなどの端末を数百台規模で接続している企業の場合、そのネットワーク構成はおよそ【図1】のようになり、コアスイッチ2台、エッジスイッチ10台程度の機器構成となります。
この機器構成での年間の消費電力は約25,000kWh [*1]となります。
【図1 標準的ネットワーク構成】

さらにこれらの機器が発生する熱を処理するための、空調の消費電力も考慮する必要があり、冷房効率(COP=3)[*2]を仮定して、合計の年間消費電力は、約33,000kWhとなります。
これは年間の
- 電気料金で約35万円
- 原油使用量換算で約8.5kl
- 二酸化炭素(CO2)排出量換算で約12.2t
に相当します[*3]。
この数字は、今後の通信トラフィックの増加に伴って、ますます大きくなることが懸念されます。
アラクサラネットワークスでは、2004年の設立以来、省電力化技術を重要な開発テーマとして取り組んでまいりました。
この結果、
- 最新のデバイス技術による電力効率の高いアーキテクチャの実現
- 業界初の省電力モード運転機能の実現
- 待機電力節約機能
などにより、従来比で40%~50%の省電力化を実現しました。
従来比で約50%の省電力を達成した場合、前述の標準的なネットワーク構成での省エネ効果[*4]は、
- 電気料金で約17万円
- 原油使用量換算で約4.3kl
- 二酸化炭素(CO2)排出量換算で約6.1t
になります。一見小さな数字に見えますが、これは前述の規模の企業であれば、0.数%~1%の省エネ効果になります。
現在の省エネ法では、年間のエネルギー消費量が原油換算で1,500kl以上の事業所が管理対象であり、年間で1%のエネルギー消費節減が目標となっています。つまりエネルギー消費量1,500klの事業所であれば、
- 年間節減目標 15kl
となり、ネットワーク関係での4.3klの節減は無視できない数字です。
ネットワーク機器の消費電力はカタログ等に記載されていますが、通常のカタログ値は消費電力の最大値が掲載されています。実際の消費電力は搭載されるラインカード/インタフェースモジュールなどのオプションの内容によって異なりますので、個別の構成品の消費電力データを積算する必要があります。具体的な機器構成での消費電力データが必要な場合には、お気軽に弊社販売パートナーへお問合せ下さい。
また、ネットワーク設計支援ツールとしてマイクロソフト社のVISIO用のステンシルデータを用意しておりますが、このデータのプロパティとして、各構成品毎の消費電力が盛り込まれておりますので、ご利用下さい。
【図2:VISIOステンシルの例】

*Visioステンシルの使用・閲覧にはMicrosoft Visioが必要です。Visioは、米国Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
【注釈】
*1: 実際には使用する機器の機種や構成によって値は変化します。
*2: 冷房効率(COP)
- エアコンが消費する電力当たり、どれだけの熱量を冷却できるかを示す値です。
- 冷房能力[W] ÷ 冷房消費電力[W]
*3: 以下の換算値を仮定しています。
- 電力: 1000[kW/h] → 原油使用量: 2.5[kl]
- → CO2排出量: 370[kg]
- → 森林面積: 0.38[ha]
*4: 省エネ効果の各種換算値
- 森林面積換算で6.27haに相当します。
