事例:豊川市役所様文教

ネットワークの独立性を維持しながらシンプルで高信頼な
システムを構築、きめ細かいサポートにより長期の利用も安心

豊川稲荷の門前町として発展してきた愛知県豊川市。同市ではかねてから、住民情報ネットワークと行政情報ネットワークの独立性を維持しながら、シンプルで高信頼なシステムを構築したいと考えていたが、このたびアラクサラネットワークス(以下、アラクサラ)のシャーシ型スイッチ「AX6600S」を導入。ネットワークを論理的に分ける「ネットワーク・パーティション機能」、および信頼性を向上させる「フォールト・トレラント機能」を活用することで、これを実現した。さらに、多くのサーバを収容するためボックス型スイッチ「AX3800S」を導入し、「スタック機能」を用いて可用性を高めるとともに、将来のサーバ仮想化による集約に備え、ネットワークの高速化にも対応。「ロングライフソリューション」により、国内ベンダならではのきめ細かいサポートが10年間保証されているため、長期にわたる利用も可能になった。

豊川市役所 企画部情報システム課 白井秀和 氏

自治体のネットワーク環境では住民情報ネットワークと行政情報ネットワークの分離が必須

まずは豊川市のあらましについてお聞かせください。

白井

我が豊川市は、昭和18年、豊川町、牛久保町、国府町、八幡村の3町1村が合併して誕生しました。さらに平成18年から平成22年にかけて、宝飯郡4町(一宮町、音羽町・御津町、小坂井町)と3度の合併を行って現在に至ります。山・川・海と自然環境に恵まれた街で、古くから豊川稲荷の門前町として栄えてきましたが、現在の主な産業としては工業や農業が挙げられます。なお、今年(2013年)11月9(土)〜10日(日)にはB級グルメの祭典、「ご当地グルメでまちおこしの祭典!B−1グランプリinTOYOKAWA」の開催を予定しております。

豊川市のこれまでのネットワーク環境とその課題について教えてください。

白井

これはどこの地方自治体でも共通した話ですが、当市には住民情報ネットワークと行政情報ネットワークという2つのネットワークがあり、セキュリティ確保の観点から、それぞれを物理的に分けて構築していました。また、どちらのネットワークも市民生活にかかわる重要なインフラのため、高い可用性が求められており、それぞれを冗長化。コアスイッチをネットワークごとに2台、合計4台の構成で運用していました。

このような構成をとっていたため、スペースや電力も余分に必要という問題があったのですが、そうした中、機器の導入から約7年が経過したことで、ベンダの保守期間が終了し、サポートが受けられなくなる心配が出てきました。そこで、2011年春ごろから次のネットワーク機器の選定を始めることになったのです。

アラクサラの仮想化ネットワーク技術と10年サポートを評価

選定にあたっては、どのような要件を求められたのですか。

白井

従来と同様、高いセキュリティと高可用性を維持するため、「住民情報ネットワークと行政情報ネットワーク、2つのネットワークは分離すること」と「冗長構成であること」は必須でした。さらに、この要件をクリアしながら、いかに運用の手間とコストを削減できるかを重視しました。

加えて、運用面で安心を得るため、迅速かつ確実なサポートを求めました。実は以前のネットワーク環境では海外ベンダの製品を使っていたのですが、大きなトラブルが何度か発生し、業務に支障を及ぼしたことがありました。しかしそうした際でもベンダのレスポンスは遅く、こちらのストレスとなっていたのです。

他の要件としては、トラブル対応やアップデートなど運用・保守面を見越し、SDカードに対応することを求めました。コアスイッチはもちろんですが、各フロアや出先機関に設置する機器について、システム担当以外の者でも容易に対応できるようにするというのが重要なポイントでした。

また、製品の選定を進めている最中に、東日本大震災が発生。全国規模で電力の供給不足が叫ばれる中、物理的に複数の機器を使ってネットワークを構成することは、電力の浪費という意味で時代に逆行します。そこで浮上してきたのが、仮想化によってネットワークを論理的に分けるネットワーク・パーティションという方式でした。

構築はどのように進んだのですか。

白井

上に挙げた要件のもと、計画段階で5〜6社から見積の徴収を行い、そのうち1社を除いた全ての会社がアラクサラ製品を活用したソリューションを提案してきたのです。どの会社も、仮想化ネットワークで高い信頼性を実現するという意味でアラクサラ製品を強く推していました。

また、アラクサラ製品のその他の魅力としては、保守期間の長さが挙げられます。10年間のサポート(ロングライフソリューション※1)を保証してくれるベンダは、アラクサラ以外にはありませんでした。

今回の選定では、2012年4月の入札により、アラクサラのシャーシ型スイッチ「AX6600S」を核とするソリューションの採用が決定しました。そして同年夏から構築を開始、NTTデータカスタマサービス株式会社 東海支社の営業部とシステムソリューション部の尽力もあり、2月には問題なく新しいネットワークがカットオーバーできました。

豊川市役所 ネットワーク構成イメージ
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仮想化機能の活用によりフレキシブルでセキュア、かつ信頼性の高いネットワーク環境が実現

新しいネットワークの構成を教えてください。

白井

導入当初は、AX6600Sの「ネットワーク・パーティション※2機能」を活用し、行政情報、住民情報、学校情報の3つのネットワークを仮想的に分割する予定でした。しかし、この機能を使えば必要に応じてフレキシブルにネットワークを構成できるため、導入後に各部署からさまざまな追加の要望が出てきたのです。具体的には、同じ学校系でも校務(職員向け)と教育(授業向け)を分けつつ相互に連携させる共通ネットワークを増やしたり、支所や出先機関のインターネット接続を集約するネットワークなどを増設したりした結果、現在ではおよそ10の仮想ネットワークを運用しています。もちろん、これらはパーティションで区切られており、「フォールト・トレラント※3機能」による冗長化で、万が一機器に故障が起こった場合でも即座に切り替わるため、セキュアで信頼性の高いネットワーク環境を実現しています。

AX3800Sのスタック構成によりサーバ収容の専用ネットワークも高信頼化

今回はAX3800Sも採用されていますが、その目的を教えてください。

白井

当初は、サーバを収容するネットワークについても、AX6600S内でパーティションを切って対応する予定でした。しかし、「コアとなる機器に余計な負荷を掛けたくない」「全てを一カ所に集中させることはBCPの観点からも問題」などの点から、サーバ専用のネットワーク機器を導入することにしました。

現在物理サーバは約80台ありますが、今後はさらに仮想化を進める予定ですが、仮想化によって1台の物理サーバ上に複数の仮想サーバが稼働すると、ネットワーク帯域を圧迫してしまいます。そのため、仮想化が進んで物理サーバ上のシステムの集約度が高まると、ネットワークにボトルネックが発生し、システム全体のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

そこで2012年12月、ボックス型スイッチ「AX3800S」の採用を決定しました。採用した理由は、急速にサーバ仮想化が進み、10G以上の高速回線がどうしても必要となったことと、仮想サーバ群からの大量の通信を振り分け、通信全体のボトルネックの発生を避けるためです。また、今後について特別な追加投資が不要というのも大きなメリットです。

サーバ収容ネットワークは、2013年3月にカットオーバー。こちらのネットワークはスタック構成で冗長化して信頼性を高めています。試しに片方のAX3800Sのブレーカーを落とすテストをしたこともありますが、その場合でも問題なくネットワークを使い続けることができました。その後も定期的に検証を行っていますが、全く問題はありません。

実際に運用されてのご感想などあればお聞かせください。

白井

AX6600S、AX3800Sともに、現在まで安定して稼働しています。加えて、以前のネットワークは複数の製品で構成されていたため、一括して管理することができませんでしたが、今ではトラブル箇所の特定はもちろんのこと、些細な兆候もアラートとして上がってくるため、ネットワーク全体が広く可視化されました。これは運用する上で非常に助かります。

アラクサラについては、製品の信頼性と国内ベンダならではの行き届いたサポートを高く評価しております。

ありがとうございました。

*1
ロングライフソリューション:最長10年までのトラブル解決支援や保守部品の提供を実現し、ネットワークの長期安定可動をサポート。
*2
ネットワーク・パーティション:複数の論理的なネットワークをシンプルな物理構成によるシステムで実現する技術。
*3
フォールト・トレラント:ハードウェア構成を二重化し、1つの回線とみなす技術。ネットワークの冗長性を高めるとともに、データの通信速度も向上させる。
社名/商品名は、各社の商標または登録商標です。

豊川市役所

豊川市役所

豊川市は愛知県の東に位置し、交通の要衝として発展してきた。豊川稲荷の門前町として名高い。人口は18万人強と、県内7位の人口を有し、主な産業は工業や農業。特にバラは日本でも有数の産地である。歴史的建造物や文化財も多く、豊川稲荷のほか、御油の松並木は全国的にも有名。今年(2013年)11月9(土)〜10日(日)にはB級グルメの祭典、「ご当地グルメでまちおこしの祭典!B−1グランプリinTOYOKAWA」の開催を予定しております。