事例:明治学院大学様文教

全学ネットワークをアラクサラ「AXシリーズ」の仮想化機能で統合し、
導入コストと運用負荷の軽減を実現

明治学院大学では、学生・教職員が利用する学内コンピュータ・ネットワーク「MAIN(Meijigakuin Academic Information Network)」の老朽化に伴い、ネットワーク機器をアラクサラ「AXシリーズ」に切り替える全面的なリプレースを実施した。同校ではリプレースのサイクルが長いことから、機器選定にあたっては高い信頼性と耐久性を重視。また、同時期に発生した東日本大震災の影響から、日本のユーザ事情に配慮した豊富なサービスメニューを持ち、手厚く充実したサポート体制を評価したという。

ネットワーク仮想化技術(ネットワーク・パーティション)の採用により、これまで教育研究系と事務系に分かれていたネットワークを物理的に統合しながら論理的に分割。さらに高信頼のコアスイッチ(Fault Tolerant Switch)や様々な冗長化技術の組み合わせにより、シンプルな高信頼ネットワーク(Fault Tolerant Network)へと移行。今後は、統合化により実現された省エネを更に推し進めるべく、ダイナミック省電力機能の活用を図っていく計画だ。

明治学院大学 情報センター 萩原 昌幸 氏 / 明治学院大学 情報センター ネットワーク・サーバ管理担当 高橋 大 氏 / 明治学院大学 情報センター ネットワーク・サーバ管理担当 藤原 邦夫 氏

高い信頼性・耐久性を重視してネットワーク機器を選択

キリスト教による人格教育という建学の精神を継承し、2013年に創立150周年を迎える明治学院。明治学院大学では、学生・教職員向けの学内コンピュータ・ネットワーク「MAIN(Meijigakuin Academic Information Network)」を運用している。MAINは、白金キャンパスと横浜キャンパスを結んでおり、通常のユーザ数(アカウント数)は15,000で、卒業生と新入学生が重複する年度替わりの時期には18,000になるという。一般に大学のネットワークは、教育研究を促進するため学生の持ち込み端末によるアクセスを認めていることから、ユーザの自由度とセキュリティの両立は多くの大学に共通する課題となっている。

同大学がネットワーク機器のリプレースの検討を開始したのは前回のリプレースから5年を経過した2009年頃のことで、2010年より具体的な製品選定を進めてきた。「一般にネットワーク機器の更新は5年程度と言われていますが、当校では7年ほどとやや長めに使用することから、次期システムを検討するにあたっては何よりも高い信頼性・耐久性を重視すると共に、運用管理の負荷を軽減させるためにもメンテナンスの容易さを求めました」と情報センター 次長の萩原昌幸氏は語る。

この命題を満たす製品として、最終的な候補に残ったのがアラクサラ製品と海外メーカー製品であった。そうして検討を進めていた折に東日本大震災が発生。日本のユーザ事情に配慮した豊富なサービスメニューやドキュメントを揃え、いざという時でも確実で行き届いたサポートが受けられる充実した体制を評価して、アラクサラ「AXシリーズ」の採用を決定した。また、東北で製造されたアラクサラ製品(注1)を採用することで、同校としても何らかの貢献をしたいという想いも込めたという。

アラクサラ製品の採用が正式に決定したのは2011年5月。その後、夏休み期間を使って更新作業を進め、最終的に9月に新ネットワークがカットオーバーした。新ネットワークの構成は、コアスイッチであるAX6708Sを白金キャンパスと横浜キャンパスにそれぞれ設置。ディストリビューションスイッチとしてAX2530S-24S4Xを原則建屋ごとに24台設置した。フロアスイッチとして採用されたAX2530Sは合計で200台に及ぶ。

充実のサポート/マニュアルを評価。仮想化で導入コスト・運用負荷を軽減

アラクサラ製品についてネットワーク・サーバ管理担当の高橋大氏は、次のように評価する。「われわれとしては、移行がスムースに行えるのかという心配もありましたが、それは杞憂に終わりました。アラクサラ製品はサポートの充実はもちろんですが、マニュアルが運用管理者の目線に合わせて記載されており、とても親切だと感じました。実際、構築にあたったSIerからも、マニュアルの記述が的確で、コマンド体系やパラメータも理解しやすく、操作手順が分かりやすいとの評価を聞いています。また、ソリューションガイドで豊富な事例や細かい技術情報を解説してくれている点も高く評価できます」

限られた予算の中で投資の最適化が求められる現在、運用管理に掛かるコストはTCO増大の大きな原因だが、この点でもアラクサラ製品は優れたソリューションを提供した。同大学では、これまで教育研究系と事務系のネットワークは別個に構築され、運用も別になっていた。今回のリプレースでは、教育研究系と事務系を物理的に一つのシンプルな高信頼ネットワーク(FTN)に統合しながらも、ネットワーク・パーティションにより、論理的には2系統に分割したセキュアな環境を保つことができた。従来より、教育研究系ネットワークは冗長化が行われていたものの、事務系はシングル構成のままであったが、仮想化によるハード統合で教育研究分野と事務系が共に冗長構成となり、信頼性向上に大きく貢献している。また、ハード統合で構築コストが低減すると共に、一元的な運用が実現したことで管理の手間とコスト軽減にも大きく貢献している。

障害検知の「見える化」で保守・サポート負荷が大きく軽減

このほか運用管理者の視点から評価が高いのはループ障害の検知だ。大学では研究室等におけるネットワークの活用は個々に任されていることがほとんど。そのため教員や学生が空いているポートについ、ケーブルを差してしまったり、繋ぎ変えてしまったりなどしてループ障害の発生がどうしても避けられないという事情がある。

「以前は、問題を起こしているのではと疑いのありそうな現場に何度も出向いて、確認作業を行わなければならず、これにかなりの労力と時間が掛かっていました。しかし、現在では問題個所が“見える化”され、該当ポートをGUIツールにより一目で特定できるため、作業に手間取ることが無くなると期待しています」(ネットワーク・サーバ管理担当の藤原邦夫氏)。

このほかにも、SDカードを挿入するだけでコンフィグバックアップやファイルバージョンアップなどの作業が自動実行できるコマンドレス保守機能によって保守作業が簡略化され、負荷軽減につながっているという。

明治学院大学様ネットワーク構成
画像を拡大する

ダイナミック省電力機能で、大幅な「省エネ」に貢献

仮想化によるハード統合で装置や回線が集約され、すでに大きな省エネ効果を生んでいる明治学院大学の新ネットワーク。同大学が、今後のネットワーク運用で更なる効果を期待するのがアラクサラ製品の大きな特徴であるダイナミック省電力機能だ。

「ダイナミック省電力機能の活用はこれからですが、今後は、夜間や休日など、機器をフル稼働させる必要が無い時間帯に省電力モードに切り替えることで、より大きな節約が可能になると考えています。東日本大震災で今後も強く省エネに対する取り組みが求められていますが、夏休みなどの長期休暇中は、冗長化されたシステムの一方を給電オフにするといった設定を行うことで、より大きな貢献ができると考えています」と萩原氏は期待を寄せる。

現在、新ネットワークのカットオーバーから半年が経過したが、目立ったトラブルは一切なく安定稼働が続いている。また、利用現場からはフロアスイッチのAX2530Sがファンレス構造であることから、静かな教室内でも以前のように音が気になることがないといった静音性を評価する声が上がっているという。

萩原氏は、「今回のリプレースによって、フロアまでのギガビット化が実現したので、それ以降のエッジ部の強化を今後の課題としています。同時に、ネットワークの信頼性をより強化して行くためにも、スプリットマルチリンク(SML)構成(注2)についても検討したいと思います」と抱負を語る。

*1
今回、ディストリビューションスイッチに採用されたAX2530S-24S4Xは東北地方の工場で製造。
*2
スプリットマルチリンク(SML): 2つの異なるスイッチ間でリンクアグリゲーションを行うことにより、信頼性を向上させる機能。

明治学院大学様ネットワーク

明治学院大学

明治学院大学

明治学院大学は、1863年にアメリカ人宣教医師J.C.ヘボンが横浜に開設した「ヘボン塾」を淵源とし、1949年に大学として設置された。現在では東京都港区白金台と横浜市戸塚区にキャンパスがあり、6学部から数多くの卒業生を社会に輩出している。2013年に迎える創立150周年に向け、建学の精神「キリスト教に基づく人格教育」に立ち返り、教育理念“Do for Others(他者への貢献)”の社会的実現をめざして、記念事業「21世紀 ヘボン・プロジェクト」を始動させている。