事例:特定医療法人芳和会 菊陽病院様病院

病院ネットワークの安定運用を確保することで医療サービスのさらなる充実を実現
-「フォールト・トレラント・スイッチ」と「リンクアグリゲーション」でネットワークの冗長性を確保 -

315床の病棟で救急医療をはじめとする高度な精神科医療を提供している菊陽病院。同病院では、2010年12月の新病棟オープンに合わせて、電子カルテシステムを導入すると共に、ネットワーク環境を一新。

アラクサラネットワークスのフォールト・トレラント・スイッチ「AX6604S」によってスイッチの冗長性を確保し、さらに、リンクアグリゲーションによってネットワークの二重化を図った。ネットワークの安定性を確保したことで、よりよい医療サービスの提供環境が実現。今後も安定したネットワーク環境を基盤に、高度な医療サービスを提供していく。

院長 和田 冬樹 氏,事務長 山本 隆憲 氏,総務 情報管理室 係長 橋本 徳一郎 氏

充実した医療サービスを提供するためには「止まらないネットワーク」が必須

菊陽病院様についてお聞かせください。

和田

精神科を中心に、神経科、内科、歯科の診療を行っています。当病院は、精神科の救急医療体制が十分でなかった20年以上も前から、精神科の救急外来に積極的に対応してきました。現在も精神科救急病棟や精神科急性期治療病棟を備える病院として、熊本県における精神科救急治療の中核拠点に位置付けられています。患者の社会復帰にも注力し、リハビリテーションのためのグループホームなどの運営を通して、患者の自立と社会参加の促進を図っています。

以前のネットワーク環境の課題について教えてください。

橋本

1台のルータ・メインスイッチに複数台のハブをカスケード接続し、各職場にケーブルで配線する、ごく一般的なネットワーク環境でした。メインスイッチが故障することも多く、トラブルが発生するたびにネットワークをさかのぼりながら障害原因を特定する作業に追われていました。病院業務においてホスティングサービスでグループウェアを利用していることもあり、ネットワークが切れると情報が遮断されて困ることもしばしばありました。

和田

充実した医療サービスを提供するためには、病院設備はもちろんのこと、IT環境の整備は必要不可欠です。その根幹となるネットワークには、どんなことがあっても止まることなく、安定して稼働することを求めていました。

フォールト・トレラント・スイッチによって冗長性を確保

今回のリプレースについてお聞かせください。

和田

2009年に、精神科救急及び急性期治療と、精神科一般病棟患者の治療の充実を目指し、新病棟の建設に着手しました。さらに新病棟の開設に合わせて電子カルテシステムを導入し、医療業務の効率化と情報の共有化を促進することで、医療サービスのさらなる充実を目指しました。そこで新病棟建設と、電子カルテシステムの導入に合わせて、ネットワーク環境を一新することを決断し、アラクサラのスイッチを導入しました。新病棟は2010年12月に完成し、あわせて電子カルテの利用と新しいネットワークによる運用が始まっています。

具体的にどのような製品を導入されましたか。

橋本

コアスイッチはAX6604Sをセンターに1台設置し、LANスイッチは各病棟のフロアに複数台配置しました。電子カルテの端末は、診察室、看護師の詰め所、カンファレンス室などに約160台設置し、医師や看護師がいつでもカルテ情報を見ながら診療ができるようにしています。

菊陽病院様ネットワーク構成図
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ネットワーク構築のポイントはどこになりますか。

橋本

コアスイッチを「フォールト・トレラント・スイッチ」*1による冗長構成で可用性を確保している点がポイントです。物理的なスイッチは1台ですが、内部はハードウェア的に完全に二重化されているので、片方のスイッチに障害が発生したとしてもネットワークの安全性が確保できます。さらに、コアスイッチとフロアスイッチの接続には、2本の回線を1本に束ねる「リンクアグリゲーション」*2を採用しています。これにより、1本の回線が何らかの原因で止まっても残り1本の回線でカバーできるので、ネットワークが止まることはありません。

ネットワークの安定稼働で高度な医療サービスを提供

新しいネットワークによって得られた成果についてお聞かせください。

和田

充実した医療行為を行ううえで、ネットワークの安定性を確保したことは大きな成果です。特に今回、新病棟のオープンに合わせて電子カルテシステムを導入し、あらゆる病棟から患者のカルテ情報を閲覧できるようにしたことから、ネットワークの重要度は増しています。

橋本

菊陽病院は地域的な特性上落雷が多く、スイッチやネットワーク機器がトラブルに巻き込まれる危険が少なくありません。しかし今回、安定性の高いネットワーク環境が構築できたことで、長時間の停電さえなければ医療行為が継続的に行える体制が整ったと思います。

山本

以前の環境では、医療現場からもネットワークの安定稼働を求める声が聞こえてきました。新しいネットワークに移行して約半年経った現在、スイッチやネットワークに関する障害は一度も発生しておらず、現場からもネットワークに関する苦情の声は届いていません。そのため、現場では充実した医療サービスが提供できていると思います。

今後の展望をお聞かせください。

和田

将来的には、医療用画像ネットワーク管理システム(PACS)を導入する構想があります。PACSで撮影したレントゲン画像、CT画像などをより詳しく分析することで、患者によりよい医療サービスを提供することが目的です。PACSで大容量データを扱うようになると、ネットワークの品質と安定性がより重要視されるでしょう。そのためにも、アラクサラには引き続きネットワークの安定性確保のための支援を期待しています。その他、無線対応のタブレット型PCを利用して、モバイル環境でいつでもどこでも最新の情報を入手しながら、よりよい医療行為につなげていくことにも挑戦していきたいと思います。

ありがとうございました。

*1
フォールトトレラントスイッチ:ハードウェア構成を完全二重化(運用系・待機系)し、運用系の障害時には待機系へ切替えて動作を継続することにより、万一の障害時も止まらないネットワークを実現する。
*2
リンクアグリゲーション:複数の物理的な回線を仮想的に集約し、1つの回線とみなす技術。ネットワークの冗長性を高めると同時に、ネットワークのデータ通信速度を向上させる。

特定医療法人芳和会 菊陽病院

菊陽病院

熊本県菊池郡菊陽町、JR豊肥本線三里木駅から徒歩10分の場所に位置する熊本県有数の精神科病院。病床数は315床で、精神科救急、精神科急性期、精神療養、精神一般の病棟機能を装備。アルコール依存症治療やギャンブル依存症治療も手がける数少ない病院として知られる。付属施設として、きくよう地域生活支援センター、グループホーム「竜田寮・西原寮・さくら並木寮・すみれ荘」などを運営する。